こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
06/02/2021に、libgcryptの脆弱性情報(Moderate: CVE-2021-33560)が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去関連リンク(最新5件)]
Priority
CVE番号 | 影響するバージョ ン | Priority | CVSS Score / CVS S Vector |
---|---|---|---|
CVE-2021-33560 | libgcrypt < 1.8.8, libgcrypt < 1.9.3 | Red Hat: Moderate | Red Hat: CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:N/A:N |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2021-33560
- ヒープバッファーオーバーフローの可能性
- 1.8.8, 1.9.3 より前のLibgcryptでは、サイドチャネル攻撃に対抗するためのmpi_powm()関数での指数ブラインドが不足していることと、ウィンドウサイズが適切に選択されていないために、ElGamal暗号の処理に問題を含んでいました。これは、例えばOpenPGPでのElGamal使用に影響があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
- Arch Linux
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
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