ntpに複数の脆弱性(CVE-2017-6451, CVE-2017-6452, CVE-2017-6455, CVE-2017-6458, CVE-2017-6459, CVE-2017-6460, CVE-2017-6462, CVE-2017-6463, CVE-2017-6464 )
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
03/24/2017にntpに複数の脆弱性情報(CVE-2017-6451, CVE-2017-6452, CVE-2017-6455, CVE-2017-6458, CVE-2017-6459, CVE-2017-6460, CVE-2017-6462, CVE-2017-6463, CVE-2017-6464 )が報告されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Low – Moderate
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2017-6451
ローカルユーザによる任意のコード実行の可能性
重要度 – Low
4.2.8p10より前のバージョンと、4.3.94より前のバージョンの4.3.xで、レガシーなMX4200のrefclock関数で、ローカルユーザによる領域外への書き込みにより、任意のコード実行を引き起こされる可能性が有ります。
- CVE-2017-6452
Windowsインストーラのバッファーオーバーフローの可能性
重要度 – Low
(Windowsのみ)
4.2.8p10より前のバージョンと、4.3.94より前のバージョンの4.3.xで、Windowsインストーラによるバッファーオーバーフローの可能性が有ります。
- CVE-2017-6455
ローカルユーザによる特権取得の可能性
重要度 – Low
(Windowsのみ)
4.2.8p10より前のバージョンと、4.3.94より前のバージョンの4.3.xで、PPSAPIを使用している場合、PPSAPI_DLLを用いて特権を取得される可能性が有ります。
- CVE-2017-6458
認証されたリモートユーザによるバッファーオーバーフローの可能性
重要度 – Low
4.2.8p10より前のバージョンと、4.3.94より前のバージョンの4.3.xで、認証されたリモートユーザによりctl_put*()関数中でバッファーオーバーフローを引き起こされる可能性が有ります。
- CVE-2017-6459
Windowsインストーラのバグ
重要度 – Low
(Windowsのみ)
4.2.8p10より前のバージョンと、4.3.94より前のバージョンの4.3.xで、Windowsインストーラに複数のnullバイトを引数とすることにより引き起こされるバグが有ります。
- CVE-2017-6460
リモートサーバによるスタックベースバッファーオーバーフローの可能性
重要度 – Moderate
4.2.8p10より前のバージョンと、4.3.94より前のバージョンの4.3.xで、ntpqのreslist関数でスタックベースのバッファーオーバーフローが引き起こされる可能性が有ります。
- CVE-2017-6462
DPTS refclockドライバのバッファーオーバーフローの可能性
重要度 – Low
4.2.8p10より前のバージョンと、4.3.94より前のバージョンの4.3.xで、DPTS(Datum Programmable Time Server)ドライバで、ローカルユーザによる加工された/dev/datum デバイスによりバッファーオーバーフローを引き起こされる可能性が有ります。
- CVE-2017-6463
認証されたユーザによるDoSの可能性
重要度 – Moderate
4.2.8p10より前のバージョンと、4.3.94より前のバージョンの4.3.xで、unpeerオプションの不正な設定により、認証されたリモートユーザがDoSを引き起こせる可能性が有ります。
- CVE-2017-6464
リモートユーザによるDoSの可能性
重要度 – Moderate
4.2.8p10より前のバージョンと、4.3.94より前のバージョンの4.3.xで、リモートユーザによる悪意のあるモード設定によりDoS(ntpdのクラッシュ)を引き起こされる可能性が有ります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-6451
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-6458
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-6460
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-6462
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2017-6451
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2017-6458
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2017-6460
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2017-6462
Oracle Linux
ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-6451.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-6458.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-6460.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-6462.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-6463.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-6464.html
SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2017-6451.html
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2017-6458.html
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2017-6460.html
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2017-6462.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
また、アプリケーションの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を参考にして下さい。
[参考]
http://support.ntp.org/bin/view/Main/SecurityNotice#March_2017_ntp_4_2_8p10_NTP_Secu
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