こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
01/25/2021にOpenLDAPの脆弱性情報(CVE-2020-36221, CVE-2020-36222, CVE-2020-36223, CVE-2020-36224, CVE-2020-36225, CVE-2020-36226, CVE-2020-36227, CVE-2020-36228, CVE-2020-36229, CVE-2020-36230)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
CVE-2020-36221 | < 2.4.57 | ||
CVE-2020-36222 | < 2.4.57 | ||
CVE-2020-36223 | < 2.4.57 | ||
CVE-2020-36224 | < 2.4.57 | ||
CVE-2020-36225 | < 2.4.57 | ||
CVE-2020-36226 | < 2.4.57 | ||
CVE-2020-36227 | < 2.4.57 | ||
CVE-2020-36228 | < 2.4.57 | ||
CVE-2020-36229 | < 2.4.57 | ||
CVE-2020-36230 | < 2.4.57 |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-36221
- 整数アンダーフローによるDoSの可能性
- 2.4.57より前のOpenLDAPでは、で証明書アサーションの処理中に整数アンダーフローが発しslapdがクラッシュするというDoS(schema_init.cのserialNumberAndIssuerCheck)を引き起こす事ができる可能性があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-36222
- アサーションフェーラーによるDoSの可能性
- 2.4.57より前のOpenLDAPで、slapd中のsaslAuthzToの検査中にアサーションフェーラーが引き起こされ、DoSにつながる可能性がある問題が発見されました。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-36223
- 二重解放によるDoSの可能性
- 2.4.57より前のOpenLDAPで、vrFilter_freeでの操作中にslapd中にcrashし、DoS(二重解放と境界外読み込み)につながる可能性がある問題が発見されました。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-36224
- 不意なポインタ解放によるDoSの可能性
- 2.4.57より前のOpenLDAPでは、saslAuthzToを処理する際に不正なポインタの解放を引き起こしてクラッシュし、DoSにつながる可能性がある問題が発見されました。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-36225
- 二重解放によるDoSの可能性
- 2.4.57より前のOpenLDAPでは、saslAuthzToを処理する際に二重解放を引き起こしてクラッシュし、DoSにつながる可能性がある問題が発見されました。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-36226
- DoSの可能性
- 2.4.57より前のOpenLDAPでは、saslAuthzToを処理する際にmemch->bv_lenで間違った計算によりクラッシュし、DoSにつながる可能性がある問題が発見されました。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-36227
- 無限ループによるDoSの可能性
- 2.4.57より前のOpenLDAPでは、cancel_extopでキャンセル操作を行う際に無限ループが発生し、DoSにつながる可能性がある問題が発見されました。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-36228
- DoSの可能性
- 2.4.57より前のOpenLDAPでは、Certificate List Exact Assertion処理中にslapdがクラッシュし、DoSにつながる可能性がある問題が発見されました。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-36229
- DoSの可能性
- 2.4.57より前のOpenLDAPでは、ldap_X509dn2bv中でX.509 DNを処理する際にad_keystringでslapdのクラッシュが発生し、DoSにつながる可能性がある問題が発見されました。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-36230
- DoSの可能性
- 2.4.57より前のOpenLDAPでは、X.509 DNを処理する際にdecode.c中のber_next_elementでアサーションフェーラーが発生し、DoSにつながる可能性がある問題が発見されました。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2020-36221
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2020-36222
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2020-36223
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2020-36224
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2020-36225
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2020-36226
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2020-36227
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2020-36228
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-36221.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-36222.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-36223.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-36224.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-36225.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-36226.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-36227.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-36228.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-36229.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-36230.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生する場合には、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
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- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。