こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
02/26/2020にOpenSMTPDの緊急の脆弱性情報(Medium: CVE-2020-8793, Critical: CVE-2020-8794)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
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一次情報源
CVE番号 | 影響するバージョン | リファレンス | Priority | CVSS |
---|---|---|---|---|
CVE-2020-8793 | OpenSMTPD < 6.4p1 | NVD: 4.7 Medium | NVD: CVSS:3.1/AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:N/A:N | |
CVE-2020-8794 | OpenSMTPD < 6.4p1 | NVD: 9.8 Critical | NVD: CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-8793
- ローカルの情報漏えいの可能性
- 6.6.4以前のOpenSMTPDでは、makemap.c中の信頼できない検索パスとsmtpd.c中のオフライン機能競合の組み合わせにより、ローカルユーザが任意のファイルを読み出すことができる可能性があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-8794
- 任意のコマンド実行の可能性(ローカル/リモート)
- 6.6.4以前のOpenSMTPDでは、mta_session.c中の複数の境界外読み込みによりリモートコード実行が起きる可能性が有ります。また、この脆弱性はクライアントサイドのOpenSMTPDに影響しますが、サーバコードはバウンス処理中にクライアントコードを実行するため、サーバも攻撃出来る可能性が有ります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。