OpenSSLの脆弱性 ( CVE-2018-0739, CVE-2018-0733 ) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー
OpenSSLの脆弱性 ( CVE-2018-0739, CVE-2018-0733 )
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
03/27/2018に、当初の予告通りOpenSSLに関しての脆弱性情報 ( CVE-2018-0739, CVE-2018-0733 )と、OpenSSL 1.0.2o / 1.1.0h が公開されました。今回は、これらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
影響するバージョン
CVE-2018-0739: OpenSSL: 1.0.2b-1.0.2n , 1.1.0-1.1.0g
CVE-2018-0733: OpenSSL: 1.1.0-1.1.0g (HP-UX PA-RISCのみ)
修正バージョン
OpenSSL: 1.0.2o , 1.1.0h
Priority
Medium/Moderate
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
DoS攻撃の可能性
重要度 – Medium/Moderate
対象:OpenSSL 1.0.2b-1.0.2n , 1.1.0-1.1.0g
再帰的定義により構成されたASN.1のタイプ(例えばPKCS7に見られるようなもの)が、過度の再帰を伴う悪質な入力を与えられた場合、最終的にスタックを超えてしまう可能性があります。これによりDoS攻撃が発生する可能性が有ります。このようなSSL/TLSを用いた構成は、信頼されていないソースからくることは無いので、安全であると考えられます。この問題は、OSS-fuzzにより報告されました。
PA-RISCでの実装上のバグ(その他のアーキテクチャは影響を受けない)
重要度 – Medium/Moderate
対象:OpenSSL 1.1.0-1.1.0g
実装上のバグで、PA-RISC CRYPTO_memcmp関数は、各バイトの最下位ビットのみを比較するようになっています。これにより、攻撃者はこのセキュリティスキームに保証されるよりも少ない試行回数で、認証されたメッセージを偽造することが出来ます。このモジュールはHP-UXでのみコンパイルされるため、HP-UX PA-RISCのみが影響をウケます。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
なお、OpenSSL 1.0.1シリーズ以前のバージョンは本家ではサポート終了となっておりますので詳しい情報は各ディストリビューションの提供元にご確認下さい。
debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-0733.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-0739.html
openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を 参考にして下さい。
また、アプリケーションの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://www.openssl.org/news/vulnerabilities.html
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OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
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