こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
02/17/2020 (JST) に予告どおりOpenSSLの脆弱性情報(Moderate: CVE-2021-23841, Low: CVE-2021-23839, CVE-2021-23840)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新10件)]
OpenSSLの脆弱性情報(High: CVE-2020-1971)
OpenSSLの脆弱性情報(High: CVE-2020-1967)
OpenSSLの脆弱性情報(Low: CVE-2019-1551)
OpenSSLの脆弱性情報(Low: CVE-2019-1547, CVE-2019-1549, CVE-2019-1563)
OpenSSLの脆弱性情報(Low: CVE-2019-1543)
OpenSSLの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-1559)と修正版(OpenSSL 1.0.2r)、及び新規リリース(OpenSSL 1.1.1b)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
CVE-2021-23841 | 1.1.1-1.1.1i, 1.0.2-1.0.2x | Vendor: Moderate | |
CVE-2021-23840 | 1.1.1-1.1.1i, 1.0.2-1.0.2x | Vendor: Low | |
CVE-2021-23839 | 1.0.2s-1.0.2x | Vendor: Low |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-23841
- X509_issuer_and_serial_hash()でのNULLポインタ被参照によるDoSの可能性
- 重要度 – Low
- 対象 – OpenSSL 1.0.2s-1.0.2x
- OpenSSLのパブリックAPI X509_issuer_and_serial_hash()は発行者に基づいてユニークなハッシュ値を作成し、X509証明書にシリアルナンバーデータを含むようにします。しかしながら、(発行者フィールドが悪意をもって構成された場合)発行者フィールドをパースする際のエラーハンドリングに問題が発生することがあります。これによりNULLポインタ被参照を発生させ、DoS攻撃によるクラッシュを発生させる可能性があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-23840
- オーバーフローによるクラッシュの可能性
- 重要度 – Low
- 対象 – OpenSSL 1.1.1-1.1.1i, 1.0.2-1.0.2x
- EVP_CipherUpdate、EVP_EncryptUpdate、およびEVP_DecryptUpdateを呼び出す際に、入力長がプラットフォーム上の整数の最大許容長に近い場合に、引数値をオーバーフローさせる可能性があります。これにより、アプリケーションがクラッシュする可能性があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-23839
- 不正なSSLv2ロールバック保護
- 重要度 – Low
- 対象 – OpenSSL 1.0.2s-1.0.2y
- 詳細は後述します。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2021-23841
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2021-23841.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生する場合には、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
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