こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
03/25/2021 (JST) に予告どおりOpenSSLの脆弱性情報(High: CVE-2021-3449, CVE-2021-3450 )が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新10件)]
OpenSSLの脆弱性情報(Moderate: CVE-2021-23841, Low: CVE-2021-23839, CVE-2021-3450)
OpenSSLの脆弱性情報(High: CVE-2020-1971)
OpenSSLの脆弱性情報(High: CVE-2020-1967)
OpenSSLの脆弱性情報(Low: CVE-2019-1551)
OpenSSLの脆弱性情報(Low: CVE-2019-1547, CVE-2019-1549, CVE-2019-1563)
OpenSSLの脆弱性情報(Low: CVE-2019-1543)
OpenSSLの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-1559)と修正版(OpenSSL 1.0.2r)、及び新規リリース(OpenSSL 1.1.1b)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
CVE-2021-3449 | 1.1.1-1.1.1j | Vendor: High | Red Hat: CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H Red Hat:5.9 Important |
CVE-2021-3450 | 1.1.1h-1.1.1j | Vendor: High Red Hat:7.4 Important | Red Hat: CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:N |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-3449
- Nullポインタ被参照によるクラッシュの可能性
- 重要度 – High
- 対象 – OpenSSL 1.1.1-1.1.1j
- 悪意のあるクライアントから細工された再ネゴシエーションのClientHelloメッセージを送られた際にOpenSSL TLSサーバがクラッシュします。TLSv1.2の再ネゴシエーションClientHelloが(最初のClientHelloにはあった)signature_algorithm拡張をオミットした場合で、signature_algorithms_cert extensionを含んでいる場合NULLポインタ被参照が発生しクラッシュとDoS攻撃の引き金となります。サーバはTLSv1.2で再ネゴシエーションが有効になっている場合(これはデフォルトの設定です)にのみ、この脆弱性が発生します。OpenSSL TLSクライアントはこの問題の影響を受けません。全てのOpenSSL 1.1.1バージョンが影響を受けます。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-3450
- オーバーフローによるクラッシュの可能性
- 重要度 – Higj
- 対象 – OpenSSL 1.1.1h-1.1.1i
- X509_V_FLAG_X509_STRICTフラグは証明書チェインの中で付加的なセキュリティチェックとして使用できます。これはデフォルトではセットされていません。OpenSSL 1.1.1hからは、明示的にエンコードされた楕円曲線パラメータを持つチェーン内の証明書を無視しないという厳密なチェックが追加されました。このチェックの実装にエラーがあり、前のチェックがチェーン内の証明書が有効なチェックによって上書きされる可能性があり、CA証明書以外で発行された証明書がチェックをバイパスする可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2021/CVE-2021-3449.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2021/CVE-2021-3450.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生する場合には、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
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- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
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- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
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