こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
12/15/2021 (JST) に予告どおりOpenSSLの脆弱性情報(Moderate: CVE-2021-4044)と新バージョン(OpenSSL 3.0.1)が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新10件)]
OpenSSLの脆弱性情報(High: CVE-2021-3711, Moderate: CVE-2021-3712 )と新バージョン(OpenSSL 1.1.1l)
OpenSSLの脆弱性情報(Moderate: CVE-2021-23841, Low: CVE-2021-23839, CVE-2021-3712)
OpenSSLの脆弱性情報(High: CVE-2020-1971)
OpenSSLの脆弱性情報(High: CVE-2020-1967)
OpenSSLの脆弱性情報(Low: CVE-2019-1551)
OpenSSLの脆弱性情報(Low: CVE-2019-1547, CVE-2019-1549, CVE-2019-1563)
OpenSSLの脆弱性情報(Low: CVE-2019-1543)
OpenSSLの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-1559)と修正版(OpenSSL 1.0.2r)、及び新規リリース(OpenSSL 1.1.1b)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
CVE-2021-4044 | OpenSSL 3.0.0 | Vendor: Moderate |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-4044
- libsslにおける無効なX509_verify_cert()のエラーハンドリングの問題
- 重要度 – Moderate
- 対象 – OpenSSL 3.0.0
- クライアントサイドでサーバーから提供された証明書をチェックする際にlibsslの内部でX509_verify_cert()を呼び出します。この関数は(例えばOut of Memoryなどの)内部エラーの際に負の数を返します。OpenSSLでは、そのような負の数の戻り値の扱いにミスがあり、(SSL_connect()やSSL_do_handshake()などの)IO関数でのindicateで問題が発生し、続くSSL_get_error()がSSL_ERROR_WAIT_RETRY_VERIFYを返します。この値はアプリケーションが直前にSSL_CTX_set_cert_verify_callback()を呼んでいた場合のOpenSSLの返り値となります。ほとんどのアプリケーションがSSL_get_error()からの戻り値のSSL_ERROR_WANT_RETRY_VERIFYを望んでいないため、アプリケーションが正常な動作をしない可能性があります。どのように振る舞うかはアプリケーションに依存しますが、これによりクラッシュや無限ループなどの不正な結果を誘発する可能性があります。
この問題は認証チェーン中でX509_verify_cert()の内部エラーが発生した場合により申告になります。これは証明書がSubject Alternative Name拡張を含んでおらず、Certificat AuthorityがName Constraintsを強制している場合に発生します。この問題は有効なチェーン中でも発生します。
これらの組み合わせにより攻撃者は不正なアプリケーションの振る舞いを誘発することができる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生する場合には、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、Linux セキュリティ対策最新ガイドが執筆・販売されています。
日々のメモを更新しています。
セキュリティ関係ニュースを更新しています。個別で情報出せるようになる前の簡単な情報・リンクなんかも載せていきます。
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