こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
03/16/2022 (JST) にOpenSSLの脆弱性情報(High: CVE-2022-0778)と新バージョン(3.0.2, 1.1.1n, 1.0.2zd(プレミアムカスタマーのみ))が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新10件)]
MIPS上のOpenSSLの脆弱性情報(Moderate: CVE-2021-4160)
OpenSSLの脆弱性情報(Moderate: CVE-2021-4044)と新バージョン(OpenSSL 3.0.1)
OpenSSLの脆弱性情報(High: CVE-2021-3711, Moderate: CVE-2021-3712 )と新バージョン(OpenSSL 1.1.1l)
OpenSSLの脆弱性情報(Moderate: CVE-2021-23841, Low: CVE-2021-23839, CVE-2021-3712)
OpenSSLの脆弱性情報(High: CVE-2020-1971)
SWベンダー情報
RHEL 6, RHEL 7はOut of Scopeになっているので気をつけましょう。
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
CVE-2022-0778 | < OpenSSL 3.0.2, 1.1.1n, 1.0.2zd | Vendor: High | Red Hat:CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2022-0778
- 証明書パース中のBN_mod_sqrt()無限ループの問題
- 重要度 – High
- 対象 – OpenSSL 3.0.0
- modular平方根を計算するBN_mod_sqrt()関数にバグが存在し、非素数の絶対値を計算する際に無限ループが発生する可能性があります。
内部的にはこの関数は圧縮されたフォーム等に楕円曲線公開鍵を含む証明書をパースする際に使用されています。
不正な楕円曲線パラメータを含むように細工された証明書を使用することで無限ループを発生させることが可能です。
証明書のパースは証明書のシグネチャを確認する前に行われることから、外部から提供された証明書を処理する任意のプロセスに対してDoS攻撃を仕掛けることが可能です。無限ループは細工された楕円曲線暗号パラメータを含む秘密鍵をパースする際にも発生します。
したがって脆弱性は
- TLSクライアントがサーバ証明書を使用する際
- TLSサーバがクライアント証明書を使用する際
- ホスティングプロバイダが証明書や秘密鍵を顧客からもらう場合
- 認証局が加入者からの証明書リクエストを処理する場合
- その他ASN.1楕円暗号パラメータを処理する場合
のようなシチュエーションで発生します。
更に他のBN_mod_sqrt()を使用するアプリケーションで攻撃者がパラメータをコントロールできるようなものではDoSの問題が発生します。
この問題はOpenSSL 1.0.2, 1.1.1, 3.0に影響します。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生する場合には、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
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