PostgreSQLに複数の脆弱性(2017-08-10 Security Update Release : CVE-2017-7546, CVE-2017-7547, CVE-2014-7548)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
08/10/2017にPostgreSQLに複数の脆弱性情報(CVE-2017-7546, CVE-2017-7547, CVE-2014-7548)とセキュリティアップデートが公開されました。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Moderate
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-7546
リモートユーザによる空のパスワードでのデータベースアクセスの可能性
重要度 – Moderate
libpqとその他libqを使用している接続ドライバ拡張では、空のパスワードが無視されサーバに送信されませんが、それにも関わらず空のパスワードでPostgreSQLデータアカウントに認証出来てしまうことが判明しました。これにより、リモートユーザによる空のパスワードでのデータベースアクセスの可能性があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-7547
リモートの攻撃者によるパスワード取得の可能性
重要度 – Moderate
PostgreSQlが外部サーバのpg_user_mappingsビューにアクセスすることを処理する部分に認証の欠陥が見つかりました。リモートの認証された攻撃者は、この欠陥を用いて外部サーバのオーナーが定義したユーザマッピングから、実際の権限を持っていなくてもパスワードを取得することができる可能性が有ります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-7548
リモート認証された攻撃者によるDoS攻撃の可能性
重要度 – Moderate
PostgreSQLが大きなオブジェクトを処理する際に、認証の欠陥が発見されました。ラージオブジェクトに対する特権を持たないリモート認証された攻撃者は、この欠陥を使用することで、オブジェクトのコンテンツ全てを上書きし、DoSを引き起こす事ができる可能性が有ります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-7546
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2017-7546
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-7546.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-7547.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-7548.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、関連するサービスの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://www.postgresql.org/about/news/1772/
講演内容募集案内
2017年10月21日-22日まで開催されるopenSUSE.Asia Summit 2017 Tokyoの講演内容募集(CFP)が始まりました。
https://news.opensuse.org/2017/07/07/opensuse-asia-summit-2017-tokyo-call-for-proposals-is-open/
講演募集の締切は8/14(月)で、日本語でも講演は可能です。
セキュリティに関してのトピックは
FLOSS Security
Access/Integrity control (e.g., AppArmor, IMA, Audit)
Cryptography
Vulnerability management
となってます。SUSEに関係しない一般的なものでも構いません。御応募を是非お願い致します。
セキュリティ系連載案内
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
セミナー情報
9/9(土)の11:00から、明星大学 日野キャンパス(多摩モノレール 「中央大学・明星大学駅」から大学まで直結。会場まで徒歩6分)にて開催されるオープンソースカンファレンス2017 Tokyo/Fallで、本ブログ執筆者の面 和毅が「上半期のOSS脆弱性総括とOSSセキュリティ技術を用いた緩和策」と題した講演を行います。OSCに参加される方、またお近くの方で御時間が有りましたら、是非ご参加下さい。
ka-omo