PostgreSQLの広範囲のバージョンに複数の脆弱性(CVE-2017-12172, CVE-2017-15098, CVE-2017-15099)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
11/10/2017にPostgreSQLに複数の脆弱性情報(CVE-2017-12172, CVE-2017-15098, CVE-2017-15099)とセキュリティアップデートが公開されました。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Moderate
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-12172
データベース管理者がroot所有ファイルを変更できる権限が付与されるバグ
重要度 – Moderate
修正されたバージョン:10.1, 9.6.6, 9.5.10, 9.4.15, 9.3.20, 9.2.24
以前のバージョンでは、startupログファイルがpostmaster(新しいリリースでは”postgres”です)によってオープンされる間では、プロセスが未だroot権限で動作していました。そのため、この間は、データベース所有者がroot権限でしかアクセスできないファイルにアクセスすることが出来、ファイルの中身をログに出力されているデータで書き換える事が可能でした。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-15098
JSON関数によるメモリ開示の問題
重要度 – Moderate
修正されたバージョン:10.1, 9.6.6, 9.5.10, 9.4.15, 9.3.20
以前のバージョンで、JSON関数によるメモリ開示の問題が発見されました。詳細は追って追記します。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-15099
“INSERT … ON CONFLICT DO UPDATE”へのSELECT権限強制の失敗
重要度 – Moderate
修正されたバージョン:10.1, 9.6.6, 9.5.10
以前のバージョンでは、”INSERT … ON CONFLICT DO UPDATE”は、実行ユーザが”SELECT”をインデックスに対して実行できる権限を持っているかのチェックが欠けていました。さらに、行レベルセキュリティが有効にされているテーブルでは、”INSERT … ON CONFLICT DO UPDATE”はテーブルを更新する際のSELECTポリシがあるかどうかのチェックが欠けていました。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-12172
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2017-12172
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-12172.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-15098.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-15099.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、関連するサービスの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://www.postgresql.org/about/news/1801/
セミナー情報
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今回のテーマは新世代のOSS認証基盤です。
https://connpass.com/event/69314/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。
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