こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
こちらでは主にOSSの脆弱性を取り上げていきます。11/08/2018にPostgreSQLの脆弱性情報(Important: CVE-2018-16850)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
11/14追記:Red HatのCVSS情報を追加し、PriorityをImportantにしました。
Priority
- CVE-2018-16850
Important
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 8
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:L/UI:R/S:U/C:H/I:H/A:H
- NVD
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-16850
- pg_upgradeとpg_dumpにSQLインジェクションの可能
- 重要度 – Medium
- 対象バージョン: 10, 11
- 特別に細工されたtrigger定義により、スーパーユーザがpg_upgradeをデータベースで実行したりpg_dumpをdump/restoreサイクルで実行している際に、攻撃者は任意のSQLステートメントをスーパーユーザ権限で実行することが出来ます。攻撃にはテンポラリではないスキーマに対するCREATEの権限か、テーブルに対するTRIGGEER権限が必要になります。これはデフォルトのPostgreSQL設定で、全てのユーザがCREATE権限をパブリックスキーマに対して持っている際に攻撃可能です。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-16850.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
セミナー情報 2
2018/11/14 17:00に、「NGINX MeetUp Tokyo #1」を行います。
今回はNGINX .conf 2018 現地参加者より最新情報を共有させて頂きます。
https://nginx-mj.connpass.com/event/103617/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。