こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
11/16/2020にPostgreSQLの脆弱性情報(CVE-2020-25694, CVE-2020-25695, CVE-2020-25696)と新バージョン(9.5.24, 9.6.20, 10.15, 11.10, 12.5, 13.1)が公開されました。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
CVSS/一次情報源
CVE番号 | 影響するバージョン | リファレンス | Priority | CVSS |
---|---|---|---|---|
CVE-2020-25694 | postgresql 9, 10, 11, 12, 13 < 9.5, 9.6, 10, 11, 12, 13 | PostgreSQL 13.1, 12.5, 11.10, 10.15, 9.6.20, and 9.5.24 Released! | Vendor: 8.1 | Vendor: Vector: AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
CVE-2020-25695 | postgresql 9, 10, 11, 12, 13 < 9.5, 9.6, 10, 11, 12, 13 | PostgreSQL 13.1, 12.5, 11.10, 10.15, 9.6.20, and 9.5.24 Released! | Vendor: 8.8 | Vendor: Vector: AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
CVE-2020-25696 | postgresql 9, 10, 11, 12, 13 < 9.5, 9.6, 10, 11, 12, 13 | PostgreSQL 13.1, 12.5, 11.10, 10.15, 9.6.20, and 9.5.24 Released! | Vendor: 7.5 | Vendor: Vector: AV:N/AC:H/PR:N/UI:R/S:U/C:H/I:H/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-25694
- 再接続による接続セキュリティ設定のダウングレード
- PostgreSQLのクライアントアプリケーションが追加のデータベース接続を作成するがセキュリティ関連のパラメータを削除しながら基本的な接続パラメータのみを再利用する場合には、man-in-the-middle攻撃、またはクリアテキスト送信を監視する機能が存在する可能性があります。この脆弱性による脅威はデータの機密性・整合性・可用性です。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-25695
- “セキュリティ操作制限”のサンドボックスからの脱出
- テンポラリで無いオブジェクトを少なくとも1つのスキーマに作成することが出来る権限を持っている攻撃者は、任意のSQL関数をsuperuserとして実行することが出来ます。この脆弱性による脅威はデータの機密性・整合性・可用性です。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-25696
- psqlの\gsetによる特殊変数の上書き
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2020-25694
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2020-25694
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-25694.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-25695.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-25696.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
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- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。