こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
05/13/2021にPostgreSQLの脆弱性情報(CVE-2021-32027, CVE-2021-32028, CVE-2021-32029)と新バージョン(13.3, 12.7, 11.12, 10.17, 9.6.22)が公開されました。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
CVSS/一次情報源
CVE番号 | 影響するバージョン | リファレンス | Priority | CVSS |
---|---|---|---|---|
CVE-2021-32027 | < 13.2, 12.6, 11.11, 10.16,9.6.21 | Vendor: 6.5 | AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:H/A:N | |
CVE-2021-32028 | < 13.2, 12.6, 11.11, 10.16,9.6.21 | Vendor: 6.5 | AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:N/A:N | |
CVE-2021-32029 | < 13.2, 12.6, 11.11 | Vendor: 6.5 | AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:N/A:N |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-32027
- 特定のSQL配列値を変更する際の境界値チェックの不足により、認証されたデータベースユーザが任意のバイト列をサーバメモリ上に書き込むことを許可してしまう可能性があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-32028
- “INSERT … ON CONFLICT … DO UPDATE”を意図的に細工されたテーブルに行うことにより、攻撃者はサーバメモリの任意のバイト列を読むことが出来る可能性があります。デフォルトの設定では、認証された任意のユーザが攻撃に必要なオブジェクトを作成することができます。全てのデータベースに対してCREATEとTEMPORARY特権が無いユーザ、または全てのスキーマに対してCREATE特権がないユーザはこの攻撃を使用することは出来ません。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-32029
- “UPDATE … RETURNING”を意図的に細工されたテーブルに行うことにより、攻撃者はサーバメモリの任意のバイト列を読むことが出来る可能性があります。デフォルトの設定では、認証された任意のユーザが攻撃に必要なオブジェクトを作成することができます。全てのデータベースに対してCREATEとTEMPORARY特権が無いユーザ、または全てのスキーマに対してCREATE特権がないユーザはこの攻撃を使用することは出来ません。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2021-32027
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
CM
こちらで小学生の勉強支援サイトをオープンしました。算数のプリント(都度、自動生成)が無料でダウンロードできます。コンテンツは未だ少ないですが、徐々に増やしていきます。