こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
03/13/2019にPythonの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-9740)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
影響するバージョンを修正しました。@tenforwardさん、ありがとうございます。m(__)m
[過去関連リンク(最新5件)]
Python ParamikoをSSHサーバとして用いている際の脆弱性(Critical: CVE-2018-1000805)
一次情報源
CVE番号 | 影響するバージョン | リファレンス | Priority | CVSS |
---|---|---|---|---|
CVE-2019-9740 | 2.7.16以前の2.7.x系, 3.7.2以前の3.x系 | 5.3 (Red Hat) | CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:N/A:N (Red Hat) |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-9740
- urllibにCRLFインジェクションの可能性
- 重要度 – Medium
- PythonのビルトインモジュールであるurllibにCRLFインジェクションの脆弱性があることがわかりました。攻撃者はこれを利用して、HTTPヘッダーを操作してWebサーバ、Memcachedサーバ、Redisサーバ等に攻撃を仕掛けることが可能です。
PoC
PoCコードは本サイトでは公開しません。一次情報源に記載が有ります。
PoCコードを使って、攻撃対象のサーバ(テストなのでncで7777ポートで待ち受けしている)に接続すると
sios@localhost:~$ nc -l -p 7777
GET /?a=1 HTTP/1.1
X-injected: header <------ ヘッダーを追加してる
TEST: 123:8080/test/?test=a HTTP/1.1
Accept-Encoding: identity
User-Agent: Python-urllib/3.5
Connection: close
Host: 127.0.0.1:7777
と、ヘッダーを追加することが出来るのがわかります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。