こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
03/23/2019にPythonのurllib2の複数の脆弱性情報(CVE-2019-9947, CVE-2019-9948)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去関連リンク(最新5件)]
Pythonの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-9740)
Python ParamikoをSSHサーバとして用いている際の脆弱性(Critical: CVE-2018-1000805)
一次情報源
CVE番号 | 影響するバージョン | リファレンス | Priority | CVSS |
---|---|---|---|---|
CVE-2019-9947 | 2.7.16より前の2.7.x系, 3.7.2より前の3.x系 | – | – | |
CVE-2019-9948 | 2.7.16より前の2.7.x系 | Unnecessary URL scheme exists to allow file:// reading file in urllib | – | – |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-9947
- urllibにCRLFインジェクションの可能性
- PythonのビルトインモジュールであるurllibにCRLFインジェクションの脆弱性があることがわかりました。攻撃者はこれを利用して、HTTPヘッダーを操作してWebサーバ、Memcachedサーバ、Redisサーバ等に攻撃を仕掛けることが可能です。これはCVE-2019-9740に似た脆弱性になっています。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-9948
- urllibにCRLFインジェクションの可能性
- 2.7/16までのPython 2.xに含まれるPythonのビルトインモジュールであるurllibは、local_file:スキーマをサポートしています。これにより、リモートの攻撃者はfile: URIをブラックリストに加えているような保護メカニズムを迂回することが可能になっています。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。