こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
01/30/2019にPythonのurllibの脆弱性情報(CVE-2020-8492)が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去関連リンク(最新5件)]
Pythonのurllib2の脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-18348)
PythonのDocXMLRPCServer.pyの脆弱性情報(CVE-2019-16935)
Pythonの脆弱性情報(High: CVE-2019-16056) – OSS脆弱性ブログ
Pythonのurlsplitの脆弱性情報(Important: CVE-2019-10160)
Pythonのurllib2の複数の脆弱性情報(CVE-2019-9947, CVE-2019-9948)
CVSS/プライオリティ
CVE番号 | 影響するバージョン | リファレンス | Priority | CVSS3 Base Score | CVSS3 Basic Metrics |
---|---|---|---|---|---|
CVE-2020-8492 | Python 2.7.17/3.5.9/3.6.10/3.7.6/3.8.1までのurllib | https://python-security.readthedocs.io/vuln/urllib-basic-auth-regex.html | SuSE: Moderate | Vendor: 5.0 | SuSE: CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:N/I:N/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-8492
- DoSの脆弱性
- 該当のバージョンのPythonでは、urllib.requestモジュールのAbstractBasicAuthHandlerクラスが、非効率的な正規表現(壊滅的なバックトラッキング)を使用します。攻撃者はこれを悪用してサービス不能(DoS)を引き起こすことができます。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。