03/29/2023にSambaの脆弱性(CVE-2023-0225, CVE-2023-0922, CVE-2023-0614)と新バージョン(4.18.1, 4.17.7, 4.16.10)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について纏めます。
[過去関連リンク(最新5件)]
- Sambaの脆弱性情報(Critical: CVE-2021-44142, Important: CVE-2022-0336, Medium: CVE-2021-44141)と新バージョン(4.15.5)
- Sambaの脆弱性情報(Moderate: CVE-2021-20316)
CVSS/プライオリティ
- CVE-2023-0225
- 影響するバージョン
- 一時情報源
- Priority
- Vendor: 5.4
- CVSS Score / CVSS Vector
- CVSS3.1:AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:L/A:L
- CVE-2023-0922
- 影響するバージョン
- 一時情報源
- Priority
- Vendor: 5.9
- CVSS Score / CVSS Vector
- Vendor: CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:N/UI:R/S:U/C:H/I:L/A:N
- CVE-2023-0614
- 影響するバージョン
- 一時情報源
- Priority
- Vendor: 5.9
- CVSS Score / CVSS Vector
- CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:N/UI:R/S:U/C:H/I:L/A:N
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2023-0225
- dnsHostNameの不完全なアクセスチェック
- SambaのActive Directory ドメインコントローラでのdnsHostName権限チェック実装では、CVE-2022-32743の様にSambaドメインでのdnsHostNameの値の制約が正しく行われておりましたが、dnsHostNameが削除された場合には正しい処理が行われていませんでした。従って、Samba 4.17.0以降でLDAP属性でのdnsHostName属性の削除が、認証されているが特権を持っていないユーザに対して任意のオブジェクトで可能になっていました。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2023-0922
- Samba AD DC管理ツールのsamba-toolが平文でパスワードを送出する可能性
- Samba AD DC管理ツールは、リモートのLDAPサーバを操作する際に、デフォルトで新たなパスワードやリセットしたパスワードを送ります。Microsoftの実装では、これは暗号化された接続のみで発生するという制限がありますが、Sambaにはこの制限がありませんでした。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2023-0614
- ADでのLDAPを用いた属性へのアクセスの問題
- CVE-2018-10919のLDAPフィルターを用いた機密属性開示の修正が不完全であったため、攻撃者はSamba AD ドメインコントローラから機密のBitLockerリカバリキーを取得できる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。