こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
07/03/2019に旧バージョンのRed Hat Satelliteに使われていたコンポーネントであるSpacewalkの脆弱性情報(Low: CVE-2019-10136, Important: CVE-2019-10137)が公開されています。特にCVE-2019-10137はImportantで、Red Hatの方からもSecurity Advisoryが出ています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新5件)]
Priority
- CVE-2019-10136
Low
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 4.3
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:L/I:N/A:N
- NVD
- SuSE
- CVE-2019-10137
Important
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 8.1
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
- NVD
- SuSE
SW提供社情報
RHSA-2019:1663 – Security Advisory
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-10136
- クライアントセッションの不正な延長
- 重要度 – Low
- Spacewalkにクライアントトークンのチェックサム計算を安全に行っていないという問題が発見されました。有効でかつExpireしている認証ヘッダーを持っている攻撃者は、幾つかの数字を書き換えることでチェックサムを変更せずにセッションの有効期限を延長することが出来ます。
- パストラバーサルの問題
- 重要度 – Important
- spacewalk-proxyに、クライアントトークンをキャッシュするProxyプロセスでパストラバーサルの問題があることがわかりました。リモートの認証されていない攻撃者はこれを利用して任意のファイルの存在をテストすることができ、proxyのファイルシステムにアクセスできる場合、任意のファイルをhttpdプロセスのコンテキストで実行することが可能です。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。
また、サービスの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
セミナー情報1
Keycloakの初のコミュニティイベント「Keyconf19」がイギリスにて開催され、日本からも日立の乗松さんが参加・発表され、メンテナとコアな議論をしてきたので、2019/07/19(金) 18:45 〜 20:00 に『OSSセキュリティ技術の会 Keycloakミニ勉強会(副題:Keyconf19で日英クロスボンバーの巻)』と題してkeyconf19の報告会+αを開催することになりました。
Keycloakメンテナからのお土産のステッカーも人数限定であります!
https://secureoss-sig.connpass.com/event/136512/にて申し込みを行っております。奮ってご参加ください。
セミナー情報2
2019/07/31 10:00-17:00で開催される、一般社団法人 日本情報システム・ユーザ協会(JUAS)様による有料ハンズオンセミナー「ハンズオンで学ぶ!クラウド時代の運用管理とセキュリティ対策 」にて当ブログの筆者「面 和毅」が講師を努めます。
本セミナーでは、大手ベンダーや外資系企業、ユーザー企業などでセキュリティの専門家として20年以上の経験を持ち、現在、セキュリティエバンジェリストとして活躍する講師が実体験を交えながら、クラウド上のサーバーを安価に守る方法を、演習をまじえ、具体的にお伝えします。
https://juasseminar.jp/seminars/view/4119290にて申し込みを行っております。奮ってご参加ください。
セミナー情報3
2019/07/23 18:30-20:30で、「再演「やってはイケナイ」をやってみよう」セミナーを行います。
このセミナーは前回の「「やってはイケナイ」をやってみよう」セミナーの再演で、実際に色々な「やってはイケナイ」をデモを交えて行い、実際にどのような問題が発生するのかを確認し、その様な万が一の場合を防ぐために行っておくべき対策を紹介していきます。
https://sios.connpass.com/event/134622/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。