こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
こちらでは主にOSSの脆弱性を取り上げていきます。09/17/2018に、SpamAssassinに関して脆弱性の情報(CVE-2017-15705, CVE-2016-1238, CVE-2018-11780, CVE-2018-11781)と最新リリース(SpamAssassin 3.4.2)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Important
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=CVE-2017-15705
- スキャンのタイムアウトによるDoS
- 重要度 – Important
- SpamAssassinでは、HTML:Parserを使用してオブジェクトをセットアップしbeginとエタグとendタグのイベントハンドラ内でフックします。どちらのケースでも、”open”イベントの直後に”close”イベントが来ます。HTMLタグが”クローズされてないときでも”パースが行われます。これにより、”text”イベントを見失う可能性が有ります。これから、細工されたemailを扱った際にスキャンタイムが異常にかかり、DoSを発生させる可能性が有ります。
- https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=CVE-2016-1238
- Perlの脆弱性
- 重要度 – Moderate
- Perlの脆弱性の修正になります。
- https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=CVE-2018-11780
- リモートからのコード実行の可能性
- 重要度 – Important
- PDFInfoプラグインのバグにより、リモートコード実行の可能性がありました。
- https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=CVE-2018-11781
- ローカルユーザコードインジェクションの可能性
- 重要度 – Important
- メタルールシンタックス部分にローカルユーザコードインジェクションがありました。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-15705
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2016-1238
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2017-15705
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2016-1238
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2017-15705.html
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2016-1238.html
- Oracle Linux
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-15705.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-1238.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-11780.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-11781.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://spamassassin.apache.org/news.html
セミナー情報 1
2018年10月22日から10月25日のCSS(Computer Security Symposium)2018で、「OSSセキュリティ技術ワークショップ(OWS) 2018特別セッション」 と題しまして、OSSセキュリティ技術の会後援で特別セッションを開催します。
https://www.iwsec.org/ows/2018/index.htmlにプログラム内容と一般論文申し込みの詳細を載せていきますので、是非御確認下さい(ページは更新中です)。
セミナー情報 2
2018年09月20日に、「情シス必見!手間なく使えるOffice365向けセキュリティ対策」と題しまして、Office365を含むクラウドセキュリティのセミナーを開催します。
https://sios.secure.force.com/webform/SeminarDetail?id=701100000012QnSAAUにプログラム内容と申し込みページがありますので、是非御確認下さい。
セミナー情報 3
2018年10月04日に、「OSSの長期利用とメンテナンス 」と題しまして、やまね氏によるセミナーが開催されます。
https://sios.connpass.com/event/100751/にプログラム内容と申し込みページがありますので、是非御確認下さい。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。