こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
07/12/2019にSquidの複数の脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-12854, CVE-2019-12529, CVE-2019-12525)と新バージョン(4.8)が公開されていました。遅くなりましたが、今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新5件)]
Squidの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-13345)
Squidの脆弱性情報(Moderate: CVE-2018-19131, Important: CVE-2018-19132)
一次情報源
Squid Proxy Cache Security Update Advisory SQUID-2019:1
Priority
- CVE-2019-12854
- SuSE
- Moderate
- CVSS v3 Base Score: 4.3
- Vector: AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:L
- Red Hat Customer Potal
- Moderate
- CVSS v3 Base Score: 7
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:L/A:H
- NVD
- SuSE
- CVE-2019-12529
- SuSE
- Moderate
- CVSS v3 Base Score: 4.3
- Vector AV:N/AC:M/Au:N/C:P/I:N/A:N
- Red Hat Customer Potal
- Moderate
- CVSS v3 Base Score: 5.3
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:L
- NVD
- SuSE
- CVE-2019-12525
- SuSE
- Important
- CVSS v3 Base Score: 7.5
- Vector: AV:N/AC:L/Au:N/C:P/I:P/A:P
- Red Hat Customer Potal
- Moderate
- CVSS v3 Base Score: 7.3
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:L/A:L
- NVD
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-12854
- DoSの可能性
- 重要度 – Moderate
- 影響する範囲:4.7以前のSquid
- 修正バージョン:4.8
- 4.7までのSquidのcachemgr.cgiで不正な終端文字を用いることで、アロケートされていないメモリにアクセスしてしまうため、CGIプロセスが予期せずに終了してしまう(DoS)可能性があります。
- DoSの可能性
- 重要度 – Moderate
- 影響する範囲:4.7/3.5.28/2.7.STABLE9 以前のSquid
- 修正バージョン:4.8
- Squidのバッファー管理に問題があり、HTTPベーシック認証を処理している際にDoSが引き起こされてしまう可能性があります。
- DoSの可能性
- 重要度 – Moderate
- 影響する範囲:4.7以前/3.3.9〜3.5.28のSquid
- 修正バージョン:4.8
- Squidのバッファー管理に問題があり、HTTPダイジェスト認証を処理している際にDoSが引き起こされてしまう可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2019-12854
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2019-12854
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-12854.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-12529.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-12525.html
- SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2019-12854.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
Squid Proxy Cache Security Update Advisory SQUID-2019:1
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
セミナー情報1
コンピュータセキュリティシンポジウム2019(長崎)が2019年10月21日(月) ~ 10月24日(木)で開催されます。
こちらですが、OSSセキュリティ技術の会も後援になっており、オープンソースソフトウェア(OSS)セキュリティ技術トラック(略称:OWSトラック) も用意しております。
セミナー情報2
“distro info”: vol.1 と題しまして、各種ディストリビューションの情報を関係者から直接お届けするイベント「distro info」が開催されます。
今回は、先日リリースされたDebian10について、Debianの概要から含めての説明〜Debian10での特徴の紹介をします。ざっくり概要を把握されたい方から、発表者に確認の質問をしてみたい方までどうぞご参加下さい。
また、先月末にブラジルでDebian Conferenceが行われましたのでその紹介を行います。「Debianのカンファレンスってこんなのなんだな」というのを現地エピソードなど交えてお話します。