こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
08/25/2020にSquidの脆弱性情報(CVE-2020-15810, CVE-2020-15811, CVE-2020-24606)と新バージョン(4.13/5.0.4)が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
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Squidの複数の脆弱性情報(CVE-2020-14058, CVE-2020-14059, CVE-2020-15049)と新バージョン(4.12/5.0.3)
Squidの複数の脆弱性情報(CVE-2019-12519, CVE-2019-12521, CVE-2020-11945)と新バージョン(4.11/5.0.2)
一次情報源
Priority
CVE番号 | 一次情報源 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
2.5-3.5.28, 4.0-4.12, 5.0.1-5.0.3 | Vendor: Critical | Vendor: CVSS 9.3 AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:C/C:H/I:H/A:N/E:F/RL:O/RC:C/CR:H/IR:H/AR:X/MAV:N/MAC:L/MPR:L/MUI:N/MS:C/MC:H/MI:H/MA:N | ||
Squid 2.7-3.5.28, 4.0-4.12, 5.0.1-5.0.3 | Vendor: Critical | Vendor: CVSS 9.3 AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:C/C:H/I:H/A:N/E:F/RL:O/RC:C/CR:H/IR:H/AR:X/MAV:N/MAC:L/MPR:L/MUI:N/MS:C/MC:H/MI:H/MA:N | ||
SQUID-2020:9 Denial of Service processing Cache Digest Response | 3.0-4.12, 5.0.1-5.0.3 | Vendor: Critical | Vendor: CVSS 9.5 AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:C/C:N/I:N/A:H/E:H/RL:O/RC:C/CR:X/IR:X/AR:H/MAV:N/MAC:L/MPR:X/MUI:N/MS:C/MC:N/MI:N/MA:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-15810
- HTTP(S) Request Smugglingの問題
- Squidでのデータ検証が完全でなかったため、HTTP/HTTPSトラフィックに対してHTTP Request Smuggling攻撃が可能となります。
- HTTP Request Splittingの問題
- Squidでのデータ検証が完全でなかったため、HTTP/HTTPSトラフィックに対してHTTP Request Splitting攻撃が可能となります。
- DoS攻撃の可能性
- Squidの入力チェックに問題があり、Squidを動作させているマシンに対してDoS攻撃が仕掛けられる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2020-15810
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2020-15810
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-15810.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-15811.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-24606.html
- SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2020-15810.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
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