こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
12/08/2020にStruts 2のリモートコード実行の脆弱性情報(Important: CVE-2020-17530)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
CVE-2020-17530 | Struts 2.0.0 – Struts 2.5.25 | Vendor: Important | Red Hat: CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cwiki.apache.org/confluence/display/ww/s2-061 (CVE-2020-17530)
- Some of the tag’s attributes could perform a double evaluation if a developer applied forced OGNL evaluation by using the %{…} syntax. Using forced OGNL evaluation on untrusted user input can lead to a Remote Code Execution and security degradation.
- RCE(リモートコード実行)の可能性
- Apache Strutsフレームワークでは、開発者が%{…} 文法を使用した際にOGNL評価を強制適用させている場合、いくつかのタグの属性は重複した評価を実行します。OGNL評価の強制が信頼できないユーザ入力によって使用された場合、リモートコード実行(Remote Code Execution: RCE)を引き起こしてセキュリティ劣化につながる可能性があります。
- 解決方法:信頼できないユーザ入力を避けるようにするか、2020年12月にリリースされたStruts 2.5.26にアップグレードして下さい
- 回避方法:Security Guideに従って、信頼できないユーザ入力に基づくタグのOGNL評価強制をしないようにしてください。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。