こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
こちらでは主にOSSの脆弱性を取り上げていきます。10/27/2018にsystemdの複数の脆弱性情報(Moderate: CVE-2018-15686, CVE-2018-15687 / Important: CVE-2018-15688)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
CVE-2018-15686 : https://github.com/systemd/systemd/pull/10519
CVE-2018-15687 : https://github.com/systemd/systemd/pull/10517/commits
CVE-2018-15688 : https://github.com/systemd/systemd/pull/10518
Priority
- CVE-2018-15686
Moderate
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 3.6
- Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:L/A:L
- NVD
- SuSE
- CVE-2018-15687
Moderate
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 6.3
- Vector: CVSS:3.0/AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:N
- NVD
- SuSE
- CVE-2018-15688
Important
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 8.8
- Vector: CVSS:3.0/AV:A/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H
- NVD
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-15686
- root権限昇格の脆弱性
- 重要度 – Moderate/Medium
- 239を含むバージョンのsystemdで問題が見つかりました。systemdのunit_deserializeがNotifyAccessを通して、攻撃者に対して任意の状態でsystemdの再実行を提供していることがわかりました。これにより、systemdの実行を不正に行いroot権限へと昇格させる事が出来る可能性があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-15687
- 任意のファイルパーミッションの変更の脆弱性
- 重要度 – Moderate/Medium
- 239を含むバージョンのsystemdで問題が見つかりました。systemdのchown_one()での競合状態により、攻撃者がsystemdを用いて任意のファイルを任意のパーミッションに変更できる可能性があります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-15688
- 任意のファイルパーミッションの変更の脆弱性
- 重要度 – Important
- 239を含むバージョンのsystemdで問題が見つかりました。dhcp6クライアントのバッファーオーバーフローの脆弱性により、悪意のあるdhcp6サーバに対してsystemd-networkdのヒープメモリを上書きできてしまう可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2018-15686
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2018-15686
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-15686.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-15687.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-15688.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
CVE-2018-15686 : https://github.com/systemd/systemd/pull/10519
CVE-2018-15687 : https://github.com/systemd/systemd/pull/10517/commits
CVE-2018-15688 : https://github.com/systemd/systemd/pull/10518
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https://nginx-mj.connpass.com/event/103617/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。