こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
03/26/2018に、Apache Tomcatの脆弱性情報 ( Important: CVE-2019-0199 )が出ています。修正版は2月に公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
- CVE-2019-0199
High/Important
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 7.5
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
- NVD
- SuSE
Priority
Important
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2019-0199
- http://tomcat.apache.org/security-9.html
- http://tomcat.apache.org/security-8.html
- DoSの可能性
- 重要度 – Important
- 影響するバージョン : 9.0.0.M1 – 9.0.14 / 8.5.0 – 8.5.37
- 修正バージョン : 9.0.16 / 8.5.38
- HTTP/2実装で、膨大なSETTINGSフレームを許容しており、かつクライアントが読み込み/書き込みをリクエスト/レスポンスデータに対して行っていない場合でもストリームオープンの保持を許可していました。ストリームオープンの保持により、Servelet APIのブロッキングI/Oを用いたリクエストに対してストリームがオープンになったままになることで、クライアントはサーバサイドのスレッドをブロックし、最終的にサーバー側でのスレッドの枯渇とDoSに繋がります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生する場合には、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。