wiresharkの複数の脆弱性(CVE-2018-7320, CVE-2018-7321, CVE-2018-7322, 等)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
02/23/2018にwiresharkの脆弱性情報(CVE-2018-7320, CVE-2018-7321,CVE-2018-7322,CVE-2018-7323,CVE-2018-7324,CVE-2018-7325,CVE-2018-7326,CVE-2018-7327,CVE-2018-7328,CVE-2018-7329,CVE-2018-7330,CVE-2018-7331,CVE-2018-7332,CVE-2018-7333,CVE-2018-7334,CVE-2018-7335,CVE-2018-7336,CVE-2018-7337,CVE-2018-7417,CVE-2018-7418,CVE-2018-7419,CVE-2018-7420,CVE-2018-7421)の公開情報が追加されました。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-05.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-06.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-07.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-08.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-09.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-10.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-11.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-12.html
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-05.html
関係するCVE
- CVE-2018-7335
影響するバージョン:2.4.0 to 2.4.4, 2.2.0 to 2.2.12
IEEE 802.11 dessector クラッシュ
IEEE 802.11 dessector がクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
- https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-06.html
関係するCVE
影響するバージョン:2.4.0 to 2.4.4, 2.2.0 to 2.2.12
複数のdissectorに存在する巨大な/無限のループ
複数のdissectorで巨大な/無限のループに入ってしまうことがわかりました。全てのASN.1BER dissectorの他に、DICOM,DMP,LLTD,OpenFlow,RELAD,RPCoRDMA,RPKI-Router,S7COMM,SCCP,Thread,Thrift,USB,WCCP disscetorが影響を受けます。
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-07.html
- CVE-2018-7334
影響するバージョン: 2.4.0 to 2.4.4, 2.2.0 to 2.2.12
UMTS MAC dissectorのクラッシュ
UMTS MAC dissectorがクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-08.html
影響するバージョン:2.4.0 to 2.4.4
DOCSIS dissectorのクラッシュ
DOCSIS dissectorがクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-09.html
- CVE-2018-7336
影響するバージョン: 2.4.0 to 2.4.4, 2.2.0 to 2.2.12
FCP dissectorのクラッシュ
FCP dissectorがクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
- CVE-2018-7320
影響するバージョン:2.4.0 to 2.4.4, 2.2.0 to 2.2.12
SIGCOMP dissectorのクラッシュ
SIGCOMP dissectorがクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
- CVE-2018-7420
影響するバージョン:2.4.0 to 2.4.4, 2.2.0 to 2.2.12
pcapng file parserのクラッシュ
pcapng file parserがクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
- CVE-2018-7417
影響するバージョン:2.4.0 to 2.4.4, 2.2.0 to 2.2.12
IPMI dissectorのクラッシュ
IPMI dissectorがクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
- CVE-2018-7418
影響するバージョン:2.4.0 to 2.4.4, 2.2.0 to 2.2.12
SIGCOMP dissectorのクラッシュ
SIGCOMP dissectorがクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
- CVE-2018-7419
影響するバージョン:2.4.0 to 2.4.4, 2.2.0 to 2.2.12
NBAP dissectorのクラッシュ
NBAP dissectorがクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Oracle Linux
Ubuntu
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
[参考]
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-05.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-06.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-07.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-08.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-09.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-10.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-11.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-12.html
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