こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
05/22/2018にwiresharkの脆弱性情報(CVE-2018-11354,CVE-2018-11355,CVE-2018-11356,CVE-2018-11357,CVE-2018-11358,CVE-2018-11359,CVE-2018-11360,CVE-2018-11361,CVE-2018-11362)の公開情報が追加されました。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-25.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-26.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-27.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-28.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-29.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-30.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-31.html
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-25.html
関係するCVE
- CVE-2018-11362
影響するバージョン:2.6.0, 2.4.0 to 2.4.6, 2.2.0 to 2.2.14
LDSS dessector クラッシュ
LDSS dessector がクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
- https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-26.html
関係するCVE
影響するバージョン:2.6.0
IEEE 1905.1a dessector クラッシュ
IEEE 1905.1a dessector がクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-27.html
- CVE-2018-11355
影響するバージョン:2.6.0
RTCP dissector クラッシュ
RTCP dissectorがクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-28.html
影響するバージョン:2.6.0, 2.4.0 to 2.4.6, 2.2.0 to 2.2.14
過大なメモリ消費による複数のdissectorのクラッシュ
LTP dissectorやその他のdissectorがクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-29.html
- CVE-2018-11356
影響するバージョン: 2.6.0, 2.4.0 to 2.4.6, 2.2.0 to 2.2.14
DNS dissectorのクラッシュ
DNS dissectorがクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
- https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-30.html
- CVE-2018-11360
影響するバージョン:2.6.0, 2.4.0 to 2.4.6, 2.2.0 to 2.2.14
GSM A DTAP dissectorのクラッシュ
GSM A DTAP dissectorがクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
- https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-31.html
- CVE-2018-11358
影響するバージョン: 2.6.0, 2.4.0 to 2.4.6, 2.2.0 to 2.2.14
Q.931 dissectorのクラッシュ
Q.931 dissectorがクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
- https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-32.html
- CVE-2018-11361
影響するバージョン:2.6.0
IEEE 802.11 dissectorのクラッシュ
IEEE 802.11 dissectorがクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
- https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-33.html
- CVE-2018-11359
影響するバージョン:2.6.0, 2.4.0 to 2.4.6, 2.2.0 to 2.2.14
複数のdissectorのクラッシュ
RRC dissectorやその他のdissectorがクラッシュすることがあります。これにより、悪意のあるユーザが不正な形式のパケットを挿入したり、不正な形式のパケットトレースファイルを読み込ませることにより、Wiresharkをクラッシュさせることが可能です。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Oracle Linux
Ubuntu
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-25.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-26.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-27.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-28.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-29.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-30.html
https://www.wireshark.org/security/wnpa-sec-2018-31.html
セキュリティ系連載案内
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。