こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
09/17/2020にX.Orgの特権昇格を含む複数の脆弱性情報(Important: CVE-2020-14345, CVE-2020-14346, CVE-2020-14361, CVE-2020-14362)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
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Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2020-14345 | xorg-x11-server < 1.20.9 | X.Org server security advisory: August 25, 2020 | RedHat: 7.8 Important | RedHat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
CVE-2020-14346 | xorg-x11-server < 1.20.9 | X.Org server security advisory: August 25, 2020 | RedHat: 7.8 Important | RedHat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
CVE-2020-14361 | xorg-x11-server < 1.20.9 | X.Org server security advisory: August 25, 2020 | RedHat: 7.8 Important | RedHat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
CVE-2020-14362 | xorg-x11-server < 1.20.9 | X.Org server security advisory: August 25, 2020 | RedHat: 7.8 Important | RedHat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-14345
- 特権昇格の可能性
- xorg-x11-server 1.20.9より前のX.Orgサーバに問題が見つかりました。XkbSetNames()関数の境界外アクセスにより.特権昇格が発生する可能性があります。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-14346
- メモリコンテンツへの任意のアクセスの可能性
- xorg-x11-server 1.20.9より前のX.Orgサーバに問題が見つかりました。XサーバのXinput拡張プロトコルに整数アンダーフローの問題があり、メモリコンテンツに任意のアクセスができる可能性があります。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-14361
- 特権昇格の可能性
- xorg-x11-server 1.20.9より前のX.Orgサーバに問題が見つかりました。整数アンダーフローによりヒープバッファオーバーフローが発生し、特権昇格ができる可能性があります。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-14362
- 特権昇格の可能性
- xorg-x11-server 1.20.9より前のX.Orgサーバに問題が見つかりました。整数アンダーフローによりヒープバッファオーバーフローが発生し、特権昇格ができる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2020-14345
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2020-14346
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2020-14345
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2020-14346
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-14345.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-14346.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-14361.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-14362.html
- SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2020-14345.html
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2020-14346.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
セミナー情報1
コンピュータセキュリティシンポジウム(CSS)2020併設のワークショップ、 OSSセキュリティ技術ワークショップ(OWS) 2020の企画講演セッション及び、 一般論文セッションの発表募集をさせていただきます。
今年度はオンラインでの開催となります。奮ってのご投稿、お待ちしております。