こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
04/10/2020にKubernetes(kube-apiserver) の脆弱性情報(CVE-2019-11254)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新5件)]
Kubernetes の脆弱性情報(Moderate: CVE-2020-8551, CVE-2020-8552)
Kubernetes(kubectl)の脆弱性情報(Medium: CVE-2019-11251)と新バージョン(v1.16.0 / 1.15.4 / 1.14.7/ 1.13.11)
Kubernetes CSI sidecarの脆弱性情報(Medium/Moderate: CVE-2019-11255)
kube-state-metricsの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-10223)
kubernetesの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-11248)
kubernetesの複数の脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-11247, CVE-2019-11249)
一次情報源
CVE-2019-11254: kube-apiserver Denial of Service vulnerability from malicious YAML payloads #89535
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
CVE-2020-8550 | Kubernetes API Server <= v1.15.9, v1.16.0-v1.16.7, v1.17.0-v1.17.2 | 6.5 MEDIUM | CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H |
修正方法
- 下記のバージョン以上にアップグレードして下さい。
- v1.17.3
- v1.16.8
- v1.15.10
詳しくは、各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-11254
- kube-apiserverに対するDoSの可能性
- 認証されたユーザが悪意のあるYAMLペイロードをkube-apiserverに送ることにより、YAMLをパースする際にCPU利用を極端に増大させてDoSを発生させることができる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生する場合には、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
CVE-2019-11254: kube-apiserver Denial of Service vulnerability from malicious YAML payloads #89535
セキュリティ系連載案内
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- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。