こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
11/10/2020に”Platypus”と呼ばれる、Intel製CPUの脆弱性(INTEL-SA-00389)が公開されました。Intelの「RAPL(Running Average Power Limit)」という電力制御・計測のための機構を用いてサイドチャネル攻撃を許す脆弱性との事です。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューション/各社の対応について簡単に纏めてみます。
関連するCVEは CVE-2020-8694, CVE-2020-8695 になります。
[過去の関連リンク(最新5件)]
[過去の記事(最新5件)]
資格情報(Credential)が漏洩する可能性がある脆弱性 ( “ContainerDrip” : CVE-2020-15157 )
Bluetoothの鍵を上書きされる脆弱性(BLURtooth: CVE-2020-15802)
複数のgrub2 と関連するLinux Kernel の脆弱性 (BootHole (CVE-2020-1968, etc.))
INTELのセキュリティアドバイザリ(INTEL-SA-00320: Special Register Buffer Data Sampling Advisory (CVE-2020-0543))
関連ニュース
Intel製CPUに「消費電力の監視データ」から暗号化キーを解読される脆弱性が判明 (GIGAZINE)
Priority
CVE番号 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|
CVE-2020-8694 | Vendor: 5.6 Medium | Vendor: CVSS:3.1/AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:C/C:H/I:N/A:N |
CVE-2020-8695 | Vendor: 5.3 Medium | Vendor: CVSS:3.1/AV:L/AC:H/PR:H/UI:N/S:C/C:H/I:N/A:N |
問題の詳細
詳しくは一次情報源の情報を確認して下さい。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2020-8694
- 幾つかのIntel(R)プロセッサに対するLinux Kernelドライバのアクセス制御が不十分であったため、認証されたユーザが情報をローカルアクセスを通じて漏洩させることができる可能性があります。
- CVE-2020-8695
- 幾つかのIntel(R)プロセッサでのRAPLインターフェースに対する観測できる不一致に寄り、特権ユーザがローカルアクセスを通じて情報を漏洩させることができる可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-8694.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2020/CVE-2020-8695.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューション/ベンダーの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。