UPnPデバイスに関する脆弱性情報(CallStranger : CVE-2020-12695)

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

06/08/2020にUPnPデバイスに関する脆弱性情報(CallStranger : CVE-2020-12695)が公開されています。PoCも併せて公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。

hostapdに関する複数の脆弱性情報(CVE-2019-5061, CVE-2019-5062: 「W1.fi hostapd CAM table denial-of-service vulnerability」/「W1.fi hostapd deauthentication denial-of-service vulnerability」)

Intell CPUの脆弱性 (Voltage modulation vulnerability : CVE-2019-11139)

Intell CPUの脆弱性 (TSX Asynchronous Abort (TAA): CVE-2019-11135)

Netflix報告: HTTP2実装に起因するリモート攻撃可能なDoSの脆弱性 (CVE-2019-9511, CVE-2019-9512, CVE-2019-9513, CVE-2019-9514, CVE-2019-9515, CVE-2019-9516, CVE-2019-9517, CVE-2019-9518)

Netflix報告: Linux Kernel又はFreeBSDのリモートから攻撃可能な脆弱性(TCP SACK PANIC) (CVE-2019-11477, CVE-2019-11478, CVE-2019-11479, CVE-2019-5599)

Intelの新たなサイドチャネル攻撃「Microarchitectural Data Sampling (MDS)」 (CVE-2018-12126, CVE-2018-12127, CVE-2018-12130, CVE-2019-11091)




Priority

CVE番号影響するバージョンPriorityCVSS Score / CVSS Vector
CVE-2020-126952020-04-17以前のOpen Connectivity FoundationのUPnP規格

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-12695
    • データ漏洩/可能性
    • CallStranger脆弱性と呼ばれるUPnPデバイスの脆弱性が発見されました。これを利用して(DLP/borderセキュリティをきちんと行っていても)データを漏洩させたり、ネットワークをスキャンしたり、DDoS攻撃を加えることが可能になります。

      この脆弱性 – CallStranger -はUPnP SUBSCRIBE関数のヘッダー値のコールバックによって生じます。この脆弱性を利用することにより、攻撃者がSSRFライクな攻撃が出来るようになります。この脆弱性は

      • DLPやネットワーク・セキュリティをバイパスしてデータを流出させる
      • 何万ものUPnPデバイスを用いて、増幅された(Amplified) TCP DDoSを行うことが出来る
      • インターネットに繋がっているUPnPデバイスを通じて内部のポートをスキャンする

      等に使用することが可能です。

      この脆弱性はプロトコルの脆弱性のため、ベンダーがパッチを提供するには時間がかかると予想されます。詳しくはhttps://kb.cert.org/vuls/id/339275を確認して下さい。


PoC

一時情報源(CallStranger CVE-2020-12695)にGitHubへのリンクがあります。

主なディストリビューションの対応方法

詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください

wpa/hostapd:

UPnP SUBSCRIBE misbehavior in hostapd WPS AP


対処方法

各ディストリビューション/ベンダーの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。


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