こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
05/11/2021にLinux Kernelの複数の脆弱性(CVE-2021-3489, CVE-2021-3490, CVE-2021-3491)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-3501)
Linux Kernelの脆弱性(CVE-2021-31829)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-3492, CVE-2021-3493)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-23133)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-29154)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-30178)
Linux Kernelの脆弱性(CVE-2021-36310, CVE-2021-36311, CVE-2021-36312, CVE-2021-36312)
Priority
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-3489
- eBPF RINGBUFマップが割り当てられたサイズをオーバーする可能性
- eBPF RINGBUFのbpf_ringbuf_reserveで割り当てられたサイズがringbufのサイズよりも小さいかどうかをチェックしていないことがわかりました。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-3490
- eBPF のビット演算子 ALU32のboundの問題
- eBPF がビット演算(AND, OR, XOR)をトラックするためにboundされているALU32が32-bitのboundの更新を行っていないことがわかりました。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-3491
- io_uringのPROVIDE_BUFFERS MAX_RW_COUNTの迂回
- io_uringのPROVIDE_BUFFERS操作がMAX_RW_COUNT制限のバイパスを許し、/proc/<PID>/memを読み出す時にmem_rwに負の値を許してしまうことがわかりました。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2021-3489
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2021/CVE-2021-3489.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2021/CVE-2021-3490.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2021/CVE-2021-3491.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
CVE-2021-3489 – Linux kernel eBPF RINGBUF map oversized allocation
CVE-2021-3490 – Linux kernel eBPF bitwise ops ALU32 bounds tracking
CVE-2021-3491 – Linux kernel io_uring PROVIDE_BUFFERS MAX_RW_COUNT bypass
セキュリティ系連載案内
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- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
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