こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
04/07/2021にLinux Kernelの脆弱性(CVE-2021-36310, CVE-2021-36311, CVE-2021-36312, CVE-2021-36312)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-30002)
Linux Kernelの脆弱性(CVE-2021-28950, CVE-2021-28951, CVE-2021-36311)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-28660)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-3411)
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-20268)
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-27364, CVE-2021-27365, Moderate: CVE-2021-27363)
Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-20226)
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2021-36310 | Linux Kernel < 5.8 | https://cdn.kernel.org/pub/linux/kernel/v5.x/ChangeLog-5.8 | ||
CVE-2021-36311 | Linux Kernel < 5.9 | https://cdn.kernel.org/pub/linux/kernel/v5.x/ChangeLog-5.9 | ||
CVE-2021-36312 | Linux Kernel < 5.8.10 | https://cdn.kernel.org/pub/linux/kernel/v5.x/ChangeLog-5.8.10 | ||
CVE-2021-36312 | Linux Kernel < 5.11.11 | https://cdn.kernel.org/pub/linux/kernel/v5.x/ChangeLog-5.11.11 |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-36310
- Linux Kernelの5.8までのバージョンに脆弱性が見つかりました。arch/x86/kvm/svm/svm.c中のset_memory_region_testにネストされたページフォルトで無限ループに陥る可能性があります。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-36311
- Linux Kernelの5.9までのバージョンに脆弱性が見つかりました。arch/x86/kvm/svm/sev.c中で大きなSEV VMを破壊することがトリガーになりDoS(soft lockup)が発生する可能性があります。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-36312
- Linux Kernelの5.8.10までのvirt/kvm/kvm_main.c中のkvm_io_bus_unregister_devでメモリリークが発生する可能性があります。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-36312
- Linux Kernelの5.11.11までのバージョンに脆弱性が見つかりました。arch/x86/kvm/hyperv.c 中のsynic_get()がSynIC Hyper-VコンテキストへのアクセスでNULLポインタ被参照が発生する可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2021-36310
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2021-36311
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2021-36310
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2021-36311
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2021/CVE-2021-36310.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2021/CVE-2021-36311.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2021/CVE-2021-36312.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2021/CVE-2021-36312.html
- SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2021-36310.html
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2021-36311.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
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- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
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