Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-29657)

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面和毅です。

07/23/2021にLinux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-29657)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。

Priority

CVE番号	影響するバージョン	一次情報源	Priority	CVSS Score / CVSS Vector
CVE-2021-29657	Linux Kernel < 5.11.12	KVM nested_svm_vmrun Double Fetch

各ディストリビューションの情報を確認してください。

https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-29657
- DoS又は権限昇格の可能性
- 5.11.12より前のLinux Kernelでは、arch/x86/kvm/svm/nested.c中にuse-after-freeの問題があり、ゲストVMがネストされているときにAMD KVMのゲストがホストOSのMSRに関するアクセス制御を迂回する事ができる可能性があります。これはnested_svm_vmrun中でのVMCB12のダブルフェッチによるTOCTOUの競合状態から来ています。

詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。

また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。

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