こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
10/30/2022にmultipath-toolsによる権限昇格の脆弱性(Leeloo Multipath)(Important: CVE-2022-41974, Moderate: CVE-2022-41973)が公開されました。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について纏めます。
[過去の関連リンク]
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2022-41973 | Red Hat: 7.0 Moderate | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H | ||
CVE-2022-41974 | Red Hat: 8.4 Important | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2022-41973
- symlink攻撃
- multipath-toolsの0.7.7から0.9.1までのバージョンでは、CVE-2022-41974との組み合わせでroot権限を取得できる可能性があります。symlink操作を正しく行っていなかったため、ローカルユーザは/dev/shmにアクセスすることによりmultipathdのsymlinkを変更することが出来、/dev/shmディレクトリの外にファイルを書き込むことが可能になります。これによりローカルの権限をrootに昇格することが可能です。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2022-41974
- use-after-freeの問題
- multipath-toolsの0.7.0から0.9.1までのバージョンでは、CVE-2022-41973との組み合わせでroot権限を取得できる可能性があります。ローカルユーザはアクセス制御をバイパスしてUNIXドメインソケットに書き込みを行うことでmultipathセットアップを操作することが出来ます。これによりローカルからrootに昇格することが可能になります。これは算術的なADDをbit操作のORの変わりに使用してしまっていたため、制御を誤って攻撃者がkeywordを繰り返すことが可能なためです。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
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