こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
07/22/2018に、Tomcat 7.x/8.x/9.xに関しての脆弱性情報 ( CVE-2018-1336, CVE-2018-8034, CVE-2018-8037 )が出ています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
http://tomcat.apache.org/security-9.html
http://tomcat.apache.org/security-8.html
http://tomcat.apache.org/security-7.html
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2018-8034
- (一次情報)CVE-2018-8034
重要度 – Low
影響するバージョン : 9.0.0.M1 to 9.0.9/8.0.0.RC1 to 8.0.52/7.0.25 to 7.0.88
TLSでWebSocketクライアントを使っている際のホスト名検証の欠如
TLSでWebSocketクライアントを使っている際に、ホスト名検証が欠如していました。これはデフォルトで有効になっています。
- CVE-2018-8037
- (一次情報)CVE-2018-8037
NIO/NIO2コネクターでのユーザセッションをクローズする際の不適切な扱い
コネクションのトラッキング処理にバグが有り、新しい接続でユーザセッションを再使用することが出来、MITMにつながります。
重要度 – Important
影響するバージョン : 9.0.0.M9 to 9.0.9/
- CVE-2018-1336
- (一次情報)CVE-2018-1336
UTF-8デコーダのバグによるDoS
重要度 – Important
影響するバージョン : 9.0.0.M1 to 9.0.7/8.0.0.RC1 to 8.0.51/7.0.28 to 7.0.88
UTF-8デコーダに特殊なキャラクタを与えた際にデコーダで無限ループを引き起こしオーバーフローとなり、DoSにつながります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2018-8034
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2018-8034
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-8034.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-8037.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-1336.html
SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2018-8034
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
http://tomcat.apache.org/security-9.html
http://tomcat.apache.org/security-8.html
http://tomcat.apache.org/security-7.html
セキュリティ系連載案内
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
セミナー情報 1
2018年10月22日から10月25日のCSS(Computer Security Symposium)2018で、「OSSセキュリティ技術ワークショップ(OWS) 2018特別セッション」 と題しまして、OSSセキュリティ技術の会後援で特別セッションを開催します。
https://www.iwsec.org/ows/2018/index.htmlにプログラム内容と一般論文申し込みの詳細を載せていきますので、是非御確認下さい(ページは更新中です)。
セミナー情報 2
2018年8月6日に「OSSセキュリティ技術の会 座談会(第一回)」を開催します。OSSセキュリティ技術の会では、講演形式の勉強会シリーズを行っていますが、今回は新たな試みとして座談会形式の会合を行います。
https://secureoss-sig.connpass.com/event/92782/にプログラム内容と申し込みの詳細を載せていますので、是非御参加下さい。