PostgreSQLに複数の脆弱性(2017-05-11 Security Update Release : CVE-2017-7484, CVE-2017-7485, CVE-2014-7486)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
05/11/2017にPostgreSQLに複数の脆弱性情報(CVE-2017-7484, CVE-2017-7485, CVE-2014-7486)とセキュリティアップデートが公開されました。対象バージョンが8.4-9.6と広いものも含まれています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Moderate
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-7484
selectivity estimatorがSELECTの権限チェックをバイパスする可能性
重要度 – Moderate
対象バージョン:PostgreSQL before 9.2.21, 9.3.x before 9.3.17, 9.4.x before 9.4.12, 9.5.x before 9.5.7, and 9.6.x before 9.6.3
対象バージョンのPostgreSQLで、いくつかのselectivity estimation関数では、pg_statisticからの情報を取得する前の権限チェックが行われないことがわかりました。これにより、権限のない攻撃者がアクセスが許可されていないテーブルから情報を取得することが出来る可能性が有ります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-7485
libpqがPGREQUIRESSL環境変数を無視する
重要度 – Moderate
対象バージョン:PostgreSQL 9.3.x before 9.3.17, 9.4.x before 9.4.12, 9.5.x before 9.5.7, and 9.6.x before 9.6.3
対象バージョンのPostgreSQLで、PGREQUIRESSL 環境変数によってSSL/TLSを使った接続が強制できていないことがわかりました。これにより、Man-in-the-Middleの攻撃者がクライアントとサーバ間での通信でSSL/TLSの保護を実質的になくすことが可能になります。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-7485
pg_user_mappings viewによる外部サーバのパスワードの漏洩
重要度 – Moderate
対象バージョン:PostgreSQL versions 8.4 – 9.6
対象バージョンのPostgreSQLで、pg_user_mappings viewによる情報漏えいの脆弱性が有り、関連している外部サーバのパスワードなどが漏洩する可能性が有ります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-7484
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2017-7484
ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-7484.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-7485.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-7486.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、関連するサービスの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
https://www.postgresql.org/about/news/1746/
セミナー情報
5/31-6/2に行われる「Open Source Summit Japan 2017」の中で、本ブログの執筆者である面 和毅が講演を行います。
6/1 14:00-14:40に行われる「OSS CVE Trends」というセッションで講演を行いますので、参加される方は是非お立ち寄り下さい。