こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
01/17/2018に、BINDに関して脆弱性情報 ( CVE-2017-3145 )が出ています。今回は、こちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
BIND 9 Security Vulnerability Matrix
CVE番号 | 影響するバージョン | プライオリティ | 攻撃 |
---|---|---|---|
CVE-2017-3145 | 9.0.0 to 9.8.x, 9.9.0 to 9.9.11, 9.10.0 to 9.10.6, 9.11.0 to 9.11.2, 9.9.3-S1 to 9.9.11-S1, 9.10.5-S1 to 9.10.6-S1, 9.12.0a1 to 9.12.0rc1 | High | リモート |
Priority
High
CVSS
CVSS Score: 7.5
CVSS Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
暫定回避策
この問題によりnamedがクラッシュした場合には、パッチ適用済みのバージョンに上げるまで、DNSSECバリデーションを無効にしてください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2017-3145
- リモートからのnamedのクラッシュ
- 重要度 – High
- BINDでは、上流の再帰的なfetchコンテキストのシーケンスのクリーンアップ操作の順序に誤りがあり、use-after-freeが発生し、アサーションエラーとnamedのクラッシュが発生する可能性があります。
現在の時点ではDNSSECバリデーションを行っているリゾルバで [9.9.9-P8 to 9.9.11, 9.10.4-P8 to 9.10.6, 9.11.0-P5 to 9.11.2, 9.9.9-S10 to 9.9.11-S1, 9.10.5-S1 to 9.10.6-S1, and 9.12.0a1 to 9.12.0rc1] のバージョンのISC BINDではこのバグによりクラッシュ(netaddr.cでのアサーションフェイラー)が発生することがわかっています。
精細は各ディストリビューターの情報を参考にしてください。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-3145 - Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/cve-2017-3145 - Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-3145.html - SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2017-3145/
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、アプリケーションの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
セミナー情報
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