glibcの脆弱性(CVE-2018-1000001)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
1/12/2018に、glibcの脆弱性が公開されました(CVE-2018-1000001)。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Important
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://www.halfdog.net/Security/2017/LibcRealpathBufferUnderflow/
特権昇格の可能性
重要度 – Important
getcwd()が相対パスを返す際にrealpath()でバッファーアンダーフローが発生する可能性が有ります。これを利用して、特権昇格が行われる可能性が有ります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2018-1000001
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-1000001.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、アプリケーションやOSの再起動が発生する場合には、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-1000001
セキュリティ系連載案内
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
セミナー情報
著者が所属しているOSSセキュリティ技術の会では、02/23/(金)に「3コマ連続 [セキュリティトラック] OSSと脆弱性管理」と題して、OSSの利用と脆弱性管理に関しての、パネルディスカッションを含めたセッションを行います。
https://www.ospn.jp/osc2018-spring/modules/eguide/event.php?eid=49がプログラム内容の詳細になりますので、是非お申し込み下さい。