Sambaに共有以外のファイルにアクセスされる脆弱性(CVE-2017-2619)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
03/23/2017にsambaの脆弱性情報(CVE-2017-2619)が公開されました。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
Medium/Moderate
暫定回避策
Sambaのバージョンを更新出来ない場合は、下記の設定をsmb.confの[global]セクションに追加してsmbdを再起動して下さい。
unix extensions = no
ただし、同じファイルをNFSを用いて共有している場合は、NFSクライアント経由で同じSymlink競合が可能です。そのため、修正済みのSambaに上げるまでは、NFSとSambaで同じファイル・ディレクトリを共有しないことをお薦めします。
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2017-2619
Symlink競合による共有外のファイルへのアクセスの可能性
重要度 – Moderate/Medium
悪意のあるクライアントがSMB1又はNFSを使用し、symlink競合を使い定義されている共有以外のサーバ上のファイルにアクセスできる可能性が有ります。
現実には、Sambaサーバが極度に遅くなっている時に発生するため難しい攻撃ですが、理論上は可能というものになります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Oracle Linux
ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-2619.html
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。