linux kernelの脆弱性( CVE-2017-8924 , CVE-2017-8925 )
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
05/13/2017にkernelの脆弱性情報(CVE-2017-8924, CVE-2017-8925)が公開されました。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-8924
dmesg/syslogなどに含まれる情報が漏えいする可能性
Linux Kernelのdrivers/usb/serial/io_ti.c中のedge_bulk_in_callback()に問題があり、悪意のあるローカルユーザが細工したUSBデバイスを通して初期化されていないメモリの中からInteger Underflowを用いて機密情報(dmesgやsyslogなどに出力される情報)を取得できる可能性があることがわかりました。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-8925
悪意のあるローカルユーザによるDos(ttyの使い果たし)の可能性
Linux Kernelのdrivers/usb/serial/omninet.c中のomninet_open()関数に問題があり、悪意のあるローカルユーザが参照カウントのミスハンドルを用いて、DoS(ttyの使い果たし)を引き起こすことが出来る可能性があることがわかりました。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
ubuntu
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-8924
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-8925
セミナー情報
5/31-6/2に行われる「Open Source Summit Japan 2017」の中で、本ブログの執筆者である面 和毅が講演を行います。
6/1 14:00-14:40に行われる「OSS CVE Trends」というセッションで講演を行いますので、参加される方は是非お立ち寄り下さい。