389-ds-baseの脆弱性(CVE-2017-15134, CVE-2017-15135)
(1/27更新:CVE-2017-15135を追加しました。)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
1/24/2018に、389-ds-baseに関して脆弱性の情報(CVE-2017-15134)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
(1/27更新:CVE-2017-15135を追加しました。)
Priority
Important(CVE-2017-15134)/Moderate(CVE-2017-15135)
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
リモートの非認証の攻撃者によるDoSの可能性
重要度 – Important
389-ds-baseがLDAP検索フィルタを扱う際にスタックバッファーオーバーフローの脆弱性があることがわかりました。リモートの非認証の攻撃者がこの脆弱性を利用して、細工したLDAPリクエストを送ることによりns-slapdをクラッシュさせることが出来、DoSを引き起こす事が出来る可能性があります。
リモートの非認証の攻撃者による認証バイパスの可能性
重要度 – Moderate
389-ds-baseで1.3.6.1から1.4.0.3以前のバージョンでは、認証プロセスにおいて内部ハ>ッシュ比較操作が不完全な状態でした。リモートの認証されていない攻撃者はこの脆弱性
を利用して(非常に稀で特殊な環境でですが)認証プロセスをバイパスすることが出来る
可能性があります。
https://access.redhat.com/errata/RHSA-2018:0163
http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-15135
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Ubuntu
SUSE/openSUSE
Oracle Linux
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-15134.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-15135.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
[参考]
https://access.redhat.com/errata/RHSA-2018:0163
セキュリティ系連載案内
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OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
セミナー情報
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