こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
05/16/2021にAnsibleの脆弱性(Moderate: CVE-2021-20178, CVE-2021-20180, CVE-2021-20191, CVE-2021-20228)と新バージョン(2.9.18)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2021-20178 | https://github.com/ansible/ansible/blob/v2.9.18/changelogs/CHANGELOG-v2.9.rst#security-fixes | Red Hat: 5.0 Moderate | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:R/S:U/C:H/I:N/A:N | |
CVE-2021-20180 | https://github.com/ansible/ansible/blob/v2.9.18/changelogs/CHANGELOG-v2.9.rst#security-fixes | Red Hat: 5.0 Moderate | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:R/S:U/C:H/I:N/A:N | |
CVE-2021-20191 | https://github.com/ansible/ansible/blob/v2.9.18/changelogs/CHANGELOG-v2.9.rst#security-fixes | Red Hat: 5.0 Moderate | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:R/S:U/C:H/I:N/A:N | |
CVE-2021-20228 | https://github.com/ansible/ansible/blob/v2.9.18/changelogs/CHANGELOG-v2.9.rst#security-fixes | Red Hat: 5.0 Moderate | Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:R/S:U/C:H/I:N/A:N |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-20178
- クレデンシャルの漏洩の問題
- ansibleに問題が見つかりました。「authkey」と「privkey」クレデンシャルはデフォルトで露出しており、snmp_factsモジュールを使用している場合でもno_log機能では保護されていません。攻撃者はSNMPクレデンシャルを盗み出すためにこの情報を取得することが出来ます。最も大きい脆弱性の影響はデータの秘密が侵害されます。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-20180
- クレデンシャルの漏洩の問題
- ansible moduleに問題が見つかりました。デフォルトでクレデンシャルがコンソールログから露出しており、bitbucket_pipeline_variableモジュールを用いたセキュリティ機能でも保護されていませんでした。これにより攻撃者はbitbucket_piplinceクレデンシャルを盗み出すことが出来ます。最も大きい脆弱性の影響はデータの秘密が侵害されます。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-20191
- クレデンシャルの漏洩の問題
- ansible moduleに問題が見つかりました。デフォルトでクレデンシャルがコンソールログから露出しており、no_logモジュールを用いたセキュリティ機能でも保護されていませんでsチア。これにより攻撃者はクレデンシャルを盗み出すことが出来ます。最も大きい脆弱性の影響はデータの秘密が侵害されます。
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-20228
- クレデンシャルの漏洩の問題
- Ansible Engineに問題が見つかりました。デフォルトでセンシティブな情報がマスクされておらず、basic.pyモジュール機能のサブオプションを用いた場合にno_logモジュールを用いたセキュリティ機能で保護出来ませんでした。これにより攻撃者はセンシティブな情報を盗み出すことが出来ます。最も大きい脆弱性の影響はデータの秘密が侵害されます。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2021-20178
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2021-20180
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2021-20178
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2021-20180
- Ubuntu
https://ubuntu.com/security/CVE-2021-20178
https://ubuntu.com/security/CVE-2021-20180
- SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2021-20178.html
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2021-20180.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
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