bind 9 に複数の脆弱性 ( CVE-2017-3136 , CVE-2017-3137 , CVE-2017-3138 )
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
04/13/2017に、BINDに関して複数の脆弱性情報 ( CVE-2017-3136 , CVE-2017-3137 , CVE-2017-3138 )が出ています。今回は、これらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
BIND 9 Security Vulnerability Matrix
CVE番号 | 影響するバージョン | プライオリティ | 攻撃 |
---|---|---|---|
CVE-2017-3136 | 9.8.0 -> 9.8.8-P1, 9.9.0 -> 9.9.9-P6, 9.9.10b1->9.9.10rc1, 9.10.0 -> 9.10.4-P6, 9.10.5b1->9.10.5rc1, 9.11.0 -> 9.11.0-P3, 9.11.1b1->9.11.1rc1, 9.9.3-S1 -> 9.9.9-S8 | Medium(設定に依存します) | リモート |
CVE-2017-3137 | 9.9.9-P6, 9.9.10b1->9.9.10rc1, 9.10.4-P6, 9.10.5b1->9.10.5rc1, 9.11.0-P3, 9.11.1b1->9.11.1rc1, and 9.9.9-S8 | High | リモート |
CVE-2017-3138 | 9.9.9->9.9.9-P7, 9.9.10b1->9.9.10rc2, 9.10.4->9.10.4-P7, 9.10.5b1->9.10.5rc2, 9.11.0->9.11.0-P4, 9.11.1b1->9.11.1rc2, 9.9.9-S1->9.9.9-S9 | Medium | リモート(ACLでコントロールチャネルにアクセスできる場合) |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2017-3136
DNS64を使っているサーバのDoS(Assertion failure)の可能性
重要度 – Medium(設定に依存します)
DNS64を使っていて、オプションで”break-dnssec yes”が指定されている場合、リモートの悪意のある攻撃者が作成した特定のキャラクタを含むクエリで、サーバがアサーションフェーラーを起こし終了する可能性が有ります。
- CVE-2017-3137
リモートからのDoS(Assertino failure)の可能性
重要度 – High
CNAMEやDNAMEのリソースレコードを含むレスポンス内のanswerセクションのレコードの順番に対する仮定のミスが有り、レコードが異常な順序で処理される際にassertion failureが発生する可能性が有ります。
- CVE-2017-3138
namedのassertion failureによる終了の可能性
重要度 – Medium
namedにはrndcなどのプログラムを用いて、サーバーのプロセスと”control channel”により通信を行い、オペレータがコマンドを送る機能が有ります。直近の機能更新により、いくつかのバージョンのnamedが、nullコマンド文字を送った際に、REQUIRE assertion failureで終了することがわかりました。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2017-3136
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2017-3136
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2017-3137
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2017-3138
RHEL7/CentOS7 Packages
ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-3136.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-3137.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2017/CVE-2017-3138.html
openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2017-3136
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を
参考にして下さい。
また、アプリケーションの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。