こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
05/18/2020にdovecotの複数の脆弱性情報(CVE-2020-10957, CVE-2020-10958, CVE-2020-10967)が公開されました。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
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CVSS/一次情報源
CVE番号 | 影響するバージョン | リファレンス | Priority | CVSS |
---|---|---|---|---|
CVE-2020-10957 | 2.3.0 – 2.3.10 | Vendor: 7.5 | NVD: Vector: CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H | |
CVE-2020-10958 | 2.3.0 – 2.3.10 | NVD: 5.3 | NVD: Vector: CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:L | |
CVE-2020-10967 | 2.3.0 – 2.3.10 | NVD: 5.3 | NVD: Vector: CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:L |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-10957
- DoSの可能性
- 悪意のあるNOOPコマンドによりsubmission中でsubmision-loginまたはlmtpをクラッシュさせることが可能です。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-10958
- DoSの可能性
- 充分な改行コードに続いてコマンドを送ることにより、use-after-freeバグを引き起こし、submission-login, submission, lmtpサービス等をクラッシュさせることが可能です。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-10967
- DoSの可能性
- 空の一部クオートされたメッセージを送ることによりsubmissionまたはlmtpコンポーネントをクラッシュさせることが可能です。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2020-10957
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2020-10957
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2020-10957.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2020-10958.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2020-10967.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
セミナー情報1
02/26/2020の開催が中止となってしまいましたOSSセキュリティ技術の会ですが、この度、ウェビナーで開催することになりました。OSSセキュリティ技術の会のウェビナー開催は初の試みで当日バタつくこともあるかもしれませんがどうぞよろしくお願いいたします。
Keycloakも段々と適用範囲が広がってきています。Keycloakとも連携できる新たな認証関連OSS「midPoint」が日本で紹介されてきています。今回は、KeycloakやmidPointをテーマとし、『OSSセキュリティ技術の会 第八回勉強会』と題して勉強会を開催することになりました。
さらに、Red Hat系のディープな技術者が集まるカンファレンスであるdevconf.czが1月末に開催され、最新のコンテナセキュリティからKeycloakまでセキュリティに関するトピックも扱われました。devconf.czに参加・講演して得られた情報の共有もいたします。
今回はzoomを利用してウェビナーを開催予定です。 開始直前にメールにて会議IDとパスワードを事前登録した方のみにメールで(connpassからのメールになると思います)連絡いたします。申込みは下記まで御願い致します。