Linux Kernelの複数のLowの脆弱性(CVE-2018-13093, CVE-2018-13094, CVE-2018-13095, CVE-2018-13096, CVE-2018-13097, CVE-2018-13098, CVE-2018-13099, CVE-2018-13100)



07/03/2018にLinux Kernelの複数の脆弱性情報(CVE-2018-13093, CVE-2018-13094, CVE-2018-13095, CVE-2018-13096, CVE-2018-13097, CVE-2018-13098, CVE-2018-13099, CVE-2018-13100)が公開されています。いずれもLowですが数が多かったため、今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。


 

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

07/03/2018にLinux Kernelの複数の脆弱性情報(CVE-2018-13093, CVE-2018-13094, CVE-2018-13095, CVE-2018-13096, CVE-2018-13097, CVE-2018-13098, CVE-2018-13099, CVE-2018-13100)が公開されています。いずれもLowですが数が多かったため、今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。



Priority

Moderate

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-13093
    • NULLポインタ非参照とカーネルパニックの可能性

    • 重要度 – Low

    • 4.17.3以前のLinux Kernelで、fs/xfs/xfs_icache.c中に問題が見つかりました。壊れたxfsイメージでpathwalkを行った際に、inode->i_opsポインタがNULLの場合にlookup_slow()がNULLポインタ被参照となり、パニックになります。

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-13094
    • DoS(カーネルOOPS)の可能性

    • 重要度 – Low

    • 4.17.3以前のLinux Kernelで、fs/xfs/libxfs/xfs_attr_leaf.c中に問題が見つかりました。壊れたxfsイメージでxfs_da_shrink_inode()がNULL bpを伴って呼ばれた際に、OOPSが発生します。

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-13095
    • DoS(メモリ破壊とBUG)の可能性

    • 重要度 – Low

    • 4.17.3以前のLinux Kernelで、fs/xfs/libxfs/xfs_inode_buf.c 中に問題が見つかりました。壊れたxfsイメージでエクステント形式のinodeがあり、かつinode forkにフィットするよりも多いエクステントの場合、DoS(メモリ破壊とBUG)が発生します。

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-13096
    • DoS(メモリの境界外アクセスとBUG)の可能性

    • 重要度 – Low

    • 4.17.3以前のLinux Kernelで、fs/f2fs/super.c 中に問題が見つかりました。壊れたf2fsイメージをマウントして異常なbitmapサイズに出会った際、DoS(境界外メモリアクセスとBUG)が発生します。

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-13097
    • DoS(BUG)の可能性

    • 重要度 – Low

    • 4.17.3以前のLinux Kernelで、fs/f2fs/super.c 中に問題が見つかりました。壊れたf2fsイメージでuser_block_countが不正な場合に、境界外読み取りやゼロ除算が発生し、DoS(BUG)が発生します。

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-13098
    • DoS(slabの境界外読み取りとBUG)の可能性

    • 重要度 – Low

    • 4.17.3以前のLinux Kernelで、fs/f2fs/inode.c 中に問題が見つかりました。修正されたf2fsイメージでFI_EXTRA_ATTRがinodeでセットされていた場合に、DoS(slab境界外読み取りとBUG)が発生します。

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-13099
  • DoS(境界外メモリアクセスとBUG)の可能性

  • 重要度 – Low

  • 4.17.3以前のLinux Kernelで、fs/f2fs/inline.c 中に問題が見つかりました。修正されたf2fsイメージでinline inodeが不正なreserved blkaddrを持っていた場合に、DoS(境界外メモリアクセスとBUG)が発生します。

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-13100
  • secs_per_zoneでの値チェックの漏れの可能性

  • 重要度 – Low

  • 4.17.3以前のLinux Kernelで、fs/f2fs/super.c 中に問題が見つかりました。破壊されたf2fsイメージがゼロ除算エラーを含んでいた場合、secs_per_zoneはきちんと値のチェックをしていませんでした。


主なディストリビューションの対応方法

詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください


対処方法

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。

また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。

[参考]

https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-13093

https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-13094

https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-13095

https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-13096

https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-13097

https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-13098

https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-13099

https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-13100

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