Linux Kernelの脆弱性(CVE-2018-14619)



08/28/2018にLinux Kernelの脆弱性情報(CVE-2018-14619)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。


こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

08/28/2018にLinux Kernelの脆弱性情報(CVE-2018-14619)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。



Priority

Important

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-14619
    • ローカルユーザによるマシンのクラッシュや特権昇格の可能性
    • 重要度 – Important
    • Linux Kernelのcryptoサブシステムに”null skcipher”が間違った場所にあるという問題から来る脆弱性が見つかりました。これはnull skcipherを使用中にも関わらずfreeにしてしまう可能性が有るというものです。この脆弱性を利用してローカルユーザはマシンをクラッシュさせたり、メモリ競合を起こすことにより特権昇格が出来る可能性が有ります。
    • この問題の修正は以下になります。
      
      diff --git a/crypto/algif_aead.c b/crypto/algif_aead.c
      index aacae0837aff..9d73be28cf01 100644
      --- a/crypto/algif_aead.c
      +++ b/crypto/algif_aead.c
      @@ -487,6 +487,7 @@ static void aead_release(void *private)
      struct aead_tfm *tfm = private;
      crypto_free_aead(tfm->aead);
      +	crypto_put_default_null_skcipher2();
      kfree(tfm);
      }
      @@ -519,7 +520,6 @@ static void aead_sock_destruct(struct sock *sk)
      unsigned int ivlen = crypto_aead_ivsize(tfm);
      af_alg_pull_tsgl(sk, ctx->used, NULL, 0);
      -	crypto_put_default_null_skcipher2();
      sock_kzfree_s(sk, ctx->iv, ivlen);
      sock_kfree_s(sk, ctx, ctx->len);
      af_alg_release_parent(sk);
      

主なディストリビューションの対応方法

詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください


対処方法

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。

また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。

セキュリティ系連載案内


セミナー情報 1

2018年10月22日から10月25日のCSS(Computer Security Symposium)2018で、「OSSセキュリティ技術ワークショップ(OWS) 2018特別セッション」 と題しまして、OSSセキュリティ技術の会後援で特別セッションを開催します。

https://www.iwsec.org/ows/2018/index.htmlにプログラム内容と一般論文申し込みの詳細を載せていきますので、是非御確認下さい(ページは更新中です)。

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