こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
03/24/2019にLinux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-3874)が公開されています。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新5件)]
Linux Kernelの脆弱性情報(Important: CVE-2019-7221, Low: CVE-2019-7222)
Linux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-9213)
Linux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-9162)
Priority
- CVE-2019-3874
Moderate
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 5.3
- Vector: CVSS:3.0/AV:A/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
- NVD
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-3874
- DoSの可能性
- 重要度 – Moderate
- Userスペースのアプリケーションで使われているSCTPソケットバッファーはcgroupで計算されていませんでした。攻撃者はこれを利用して、DoSを仕掛けることが可能です。
- SELinuxを用いてrootユーザ以外のSCTPソケットのバインディングを防ぐことが出来ます。
緩和策
SELinuxを用いてrootユーザ以外のSCTPソケットのバインディングを防ぐことが出来ます。
SELinuxを有効にしていない場合には、sctpをKernelモジュールのBlacklistに入れる事で自動的にロードされないようにすることが出来ます。
参照: How do I blacklist a kernel module to prevent it from loading automatically?
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。