Linux Kernelの複数の脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-12378, CVE-2019-12380, CVE-2019-12381, Low: CVE-2019-12379, CVE-2019-12382)

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

05/28/2019にLinux Kernelの複数の脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-12378, CVE-2019-12380, CVE-2019-12381, Low: CVE-2019-12379, CVE-2019-12382)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。



Priority

  • CVE-2019-12378

    Moderate

    • SuSE
      • CVSS v3 Base Score: 4
      • Vector: AV:L/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:L
    • Red Hat Customer Potal
    • NVD
  • CVE-2019-12379

    Low

    • SuSE
      • CVSS v3 Base Score: 3.3
      • Vector: AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:L
    • Red Hat Customer Potal
    • NVD
  • CVE-2019-12380

    Moderate

    • SuSE
      • CVSS v3 Base Score: 4
      • Vector: AV:L/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:L
    • Red Hat Customer Potal
    • NVD
  • CVE-2019-12381

    Moderate

    • SuSE
      • CVSS v3 Base Score: 4
      • Vector: AV:L/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:L
    • Red Hat Customer Potal
    • NVD
  • CVE-2019-12382

    Low

    • SuSE
      • CVSS v3 Base Score: 2.5
      • Vector: AV:L/AC:H/PR:L/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:L
    • Red Hat Customer Potal
    • NVD

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-12378
    • DoS(NULLポインタ被参照とシステムクラッシュ)の可能性
    • 重要度 – Important
    • 5.1.5以前のLinux Kernelのnet/ipv6/ipv6_sockglue.c中のip6_ra_control()に問題が見つかりました。new_raのkmallocをチェックしていなかったため、攻撃者がこれを利用してDoS(NULLポインタ被参照とシステムクラッシュ)を引き起こす事が出来る可能性があります。
  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-12379
    • メモリリークの可能性
    • 重要度 – Important
    • 5.1.5以前のLinux Kernelのdrivers/tty/vt/consolemap.c中のcon_insert_unipair()に問題が見つかりました。kmallocの特定のENOMケースでメモリリークが発生します。
  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-12380
    • メモリアロケーション失敗時の取扱ミスの問題
    • 重要度 – Important
    • 5.1.5以前のLinux Kernelのarch/x86/platform/efi/efi.c中のphys_efi_set_virtual_address_map()とarch/x86/platform/efi/efi_64.c中のefi_call_phys_prolog()での、メモリアロケーション失敗時の取扱に問題が見つかりました。
  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-12381
    • DoS(NULLポインタ被参照とシステムクラッシュ)の可能性
    • 重要度 – Important
    • 5.1.5以前のLinux Kernelのnet/ipv4/ip_sockglue.c中のip_ra_control()に問題が見つかりました。new_raのkmallocで確認を怠っていた所があり、攻撃者はこれを利用してDoS(NULLポインタ被参照とシステムクラッシュ)を引き起こす事が出来る可能性があります。
  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-12382
    • DoS(NULLポインタ被参照とシステムクラッシュ)の可能性
    • 重要度 – Important
    • 5.1.5以前のLinux Kernelのdrivers/gpu/drm/drm_edid_load.c中のdrm_load_edid_firmware()に問題が見つかりました。fwstrのkstrdup時の確認に問題があり、攻撃者はこれを利用してDoS(NULLポインタ被参照とシステムクラッシュ)を引き起こす事が出来る可能性があります。

主なディストリビューションの対応方法

詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください


対処方法

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。

また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。


セキュリティ系連載案内


セミナー情報 1

2019/06/07 19:00に、「OSSセキュリティ技術の会 第五回勉強会 (副題:KeycloakとWebAuthnのツインシュートの巻)」と題しまして、勉強会を開催することになりました。
コミュニティ開発に携わる人が最前線を語ります。開発コミュニティへの要望welcomeです。

プログラム内容と申し込みの詳細につきましては、 下記の通りとなります。奮ってご参加下さい。

https://secureoss-sig.connpass.com/event/130011/


セミナー情報2

2019/07/31 10:00-17:00で開催される、一般社団法人 日本情報システム・ユーザ協会(JUAS)様による有料ハンズオンセミナー「ハンズオンで学ぶ!クラウド時代の運用管理とセキュリティ対策 」にて当ブログの筆者「面 和毅」が講師を努めます。

本セミナーでは、大手ベンダーや外資系企業、ユーザー企業などでセキュリティの専門家として20年以上の経験を持ち、現在、セキュリティエバンジェリストとして活躍する講師が実体験を交えながら、クラウド上のサーバーを安価に守る方法を、演習をまじえ、具体的にお伝えします。

https://juasseminar.jp/seminars/view/4119290にて申し込みを行っております。奮ってご参加ください。


セミナー情報3

2019/05/30 18:00-22:00で、「「やってはイケナイ」をやってみよう」セミナーを行います。

このセミナーでは、実際に色々な「やってはイケナイ」をデモを交えて行い、実際にどのような問題が発生するのかを確認し、その様な万が一の場合を防ぐために行っておくべき対策を紹介していきます。

https://sios.connpass.com/event/129136/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。


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