こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
07/30/2019にLinux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2018-16871)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新5件)]
Linux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-14283, CVE-2019-14284)
Linux Kernelの脆弱性情報(Important: CVE-2019-13272)
Linux Kernelの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-13233)
Linux Kernelの脆弱性情報(CVE-2019-12983, CVE-2019-12984)
Priority
- CVE-2018-16871
- SuSE
- CVSS v3 Base Score: 7.5 (Important)
- Vector: AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
- Red Hat Customer Potal
- CVSS v3 Base Score: 7.5 (Moderate)
- Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
- NVD
- SuSE
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-16871
- 整数オーバーフローと境界外読み込みの可能性
- 重要度 – Moderate
- 影響する範囲:4.20以前のLinux Kernel
- 4.20以前のLinux Kernelでは、NFS実装の所に問題があり、exportされたNFSファイルシステムをマウントできるユーザは、不正なNFSシーケンスを使用してNULLポインタ被参照を引き起こす事が出来る可能性があります。これによりマシンをパニックにしたりNFSサーバへのアクセスを拒否させることが出来ます。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
セミナー情報1
コンピュータセキュリティシンポジウム2019(長崎)が2019年10月21日(月) ~ 10月24日(木)で開催されます。
こちらですが、OSSセキュリティ技術の会も後援になっております。
また、Call For Papersで論文も募集しております。 オープンソースソフトウェア(OSS)セキュリティ技術トラック(略称:OWSトラック) も用意しております。
興味のある方は、是非チャレンジして下さい。
https://www.iwsec.org/css/2019/cfp.html